光の基礎知識
光の心理効果
光による心理効果を知ることで、使用する人に寄り添った照明計画となります。
01 クルーゾフ効果
色温度と照度には関係があり、
クルーゾフ効果と呼ばれる法則があります。
色温度と照度には関係があり、クルーゾフ効果と呼ばれる法則があります。色温度の低い光は、照度が低いと穏やかであたたかい快適な印象を与えますが、照度がある程度より高くなると、逆に暑苦しい感じがして不快感を覚えます。色温度の高い光は、照度が高いと爽やかですっきりした快適な印象を与えますが、照度がある程度より低くなると、逆に寒々しく陰気な感じがして不快感を覚えるようになります。
02 光と心理(サーカディアンリズム)
人間は古来より太陽の光の下で暮らしてきたため、
昼のような明るく色温度の高い空間では活動的になり、
夕方のような暗く、色温度の低い空間では落ち着き、休まります。
これをサーカディアンリズムと呼びます。
照明を計画する際、その場でどのような目的があるかを考え、目的に応じた設計を行うことが必要となります。くつろいだり、落ち着いたり、夜空を眺めたりする静的な活動の場には落ち着いた心地よい雰囲気が適しますので、照明は色温度を低くし、光源の位置も低めに設定し、光量の小さいものを選択する必要があります。また、屋外でバーベキューなどの料理をしたり、食事をするなど、動的な活動の場には視認性を必要としますので、明るく、色温度は高めに、光源の位置は高めに設定すると、活動に適した空間となります。
03 向日性とサバンナ効果
人間の習性を利用した効果が、照明計画に役立ちます。
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進みづらい
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進みやすい
人間の視線は、まず明るい場所(大きい光)から徐々に暗い場所(小さい光)へと動く習性をもっており、このことを向日性と呼びます。この習性を上手く使えば、空間の中で見せたい場所を目立たせたり、歩きやすい動線計画も可能になります。また、この向日性を利用した行動心理として、奥が明るいと安心感や期待が高まり進みやすくなる一方、奥が暗いと不安や危険を感じ、進みづらくなる心理が働きます。これをサバンナ効果と呼びます。
04 高齢者に対する照明計画
人間の習性を利用した効果が、照明計画に役立ちます。
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JIS規格を満たしただけの照明計画、メンテナンスを行いにくい照明器具の選択、影を作りやすい照明は高齢者にとってよい照明計画とはいえません。
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メンテナンスのしやすい照明器具で通常よりも明るく、影を作りにくい照明計画を行うと高齢者にとって安全で利用しやすい場となります。
高齢化社会に伴い、高齢者に適した光環境を知る必要があります。そのために大切なのは、視覚特性の変化を知ることです。視力や焦点調節力、色識別力など、視覚特性の低下は20代後半から始まり、歳を重ねるごとに増していきます(目安として40代後半の人より適した光環境を考える必要があります)。
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POINT 1
不快グレアを防止
高輝度の光源や器具を高齢者の視界から除去し、不快グレアを防ぎましょう。グレアレスタイプを用いることで、それらを防ぐことができます。また、光源の色温度が低いほうが、不快と感じにくい傾向があります。
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POINT 2
安全の確保
明るい場所から暗い場所へ急に移動すると、目が順応しにくく危険なため、できるだけ明暗の差が出ないようにしましょう。
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POINT 3
操作・メンテナンスの向上
日常生活で高齢者が動きやすい位置に、照明器具やスイッチ、人感センサーを設置しましょう。また、寿命の長い光源を選択しランプ交換の手間を減らしましょう。
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POINT 4
明るさの確保
眺めるガーデンの場合は、JIS基準の約2倍の照度に(70〜150lx)。テラスで食事の場合は、JIS基準の約3倍の照度に(225〜450lx)。ガーデンの通路では、JIS基準の約5倍の照度(50〜75lx)にしましょう。
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