“国宝 白水阿弥陀堂”のライティング

国宝 白水阿弥陀堂について

今回は、我々〝Creative Lab.〟が手掛けた、福島県いわき市にある国宝建造物〝白水阿弥陀堂〟のライティングイベントで製作した特注照明器具事例を紹介します。

国の史跡に指定されているこちらの境域には、平安時代に盛んだったといわれる浄土式庭園が構えられており、美しい紅葉や大きな池が特徴的です。

その美しい庭園に、紅葉のライティングイベントを手掛ける照明デザイン事務所様より、3.11の復興支援のためのライティングで、「夜の水面に光る蓮の花を設置したい」とのご相談をいただき、 “水に浮かぶ光る蓮の花”を開発しました。

白水阿弥陀堂をライティングした写真
庭園全体の
ライティングイメージ
白水阿弥陀堂のライトアップのために製作された特注のフローティングライトを水に浮かべている写真
ライトの設置イメージ

試行錯誤した蓮の花のフローティングライト

仕様の検討

水面に花を浮かべるということで、水に浮かぶフローティングライト(水面に浮かぶ電球型照明器具:左写真)に花弁をつける仕様で開発をスタート。蓮の花の特徴とされる花弁を水が抜けるパンチングメタル(金属等の板に金型で穴を開けて加工したもの)で設計。水面に浮かべることを考え、穴の大きさや板の厚さ等、様々な種類のもので何度も実験し(右写真)、綺麗に浮かぶ素材を中心に開発を進めていきました。

また、屋外で使用すること、そして外部からの衝撃にも耐えられるよう、ただ単に薄くて軽いものを選定するのではなく、耐久性も確保した素材を使用しました。

一般的なフローティングライトの施工イメージの写真
フローティングライトのイメージ
特注のフローティングライトを水面に浮かせる実験をしている写真
ライトを水面に浮かせる
ための実験イメージ

収納性のある花弁設計

こちらの紅葉のライトアップイベントは、年に1度、秋に行われるものだったため、普段は花弁を取り外しでき、収納性に優れたものを設計しました。また、1枚1枚取り外すタイプではなく、1箇所の留め具を外せば、花弁が綺麗に繋がったまま、簡単に脱着できる仕様にしました。

特注のフローティングライトの花弁の設計図
花弁の設計図

美しさへのこだわり

当然ですが、花弁をつけるとライトは重くなるため深く沈むようになります。そして問題なのが、夜の水面に浮かべる際、水に沈む割合が大きいと光が花弁の先端まで届かず存在感が薄くなってしまうということです。そのため、浮力のある材料を数パターン作成して取り付け、水に沈む割合を小さくすることを検討しました。そして幾度と実験を重ね、花弁全体が光るようにしました。また、光源をカラーフィルタで囲むことによって蓮の花の美しい色を再現し、鮮やかな蓮の花が浮かぶ美しいライティングに仕上がりました。

花弁の先端まで光を届けられていない設計のイメージ図
花弁の先端まで光を届けられていない設計の写真
花弁の先端まで光が届いていない
花弁の先端まで光を届けられている設計のイメージ図
花弁の先端まで光を届けられている設計の写真
花弁全体に光が届いている


こうした試行錯誤の末、ようやく完成した〝蓮の花のフローティングライト〟が浮かぶ白水阿弥陀堂のライティング。完成したときは、スタッフ一同で喜びを分かち合いました。

特注のフローティングライトを浮かべた白水阿弥陀堂の池の写真

梅、桜、アヤメ、蓮の花、萩の花、紅葉等、四季折々の草花が1年中咲き誇るこちらの庭園。現在もライティングは行っていますので、是非一度足を運んでみてください。
※ライティングの内容は年によって異なります。

■Creative Lab.

屋外照明のプロフェッショナル集団。庭に快適な光を計画・提案する〝ライティングデザインチーム〟、庭に新たな光を考え、創造する〝プロダクトデザインチーム〟、庭に最適な照明器具を形にする〝設計開発チーム〟、庭の光の価値を伝える〝セールスプランニングチーム〟で構成されています。Lab. Designでは、今後も私たちが手掛けたお仕事をご紹介していきます。

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この記事を書いた人

CreativeLab.

『Creative Lab.』は、光を中心に屋外空間にイノベーションを起こすクリエイティブチームです。 デザインやアイデアで光の価値を創造するデザイン・企画チーム(AC)と、技術・開発で光の価値を創造する設計開発チーム(DC)で構成されています。 AC / DCで連携を取り、あらゆる屋外空間に合う光や価値を考え、新しくてワクワクする提案を行っています。

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