歴史ある土地に幻想の光を宿す "東山観月路"のイベントライトアップ

「面白い演出がしたい」
という出発点から

東山観月路内で行われている竹灯籠の演出
同イベント内で行われている竹灯籠の演出 (※他社演出)

京都・東山。石畳が続くねねの道から、竹がひっそりと立ち並ぶ高台寺の竹林へと至るその一帯は、歴史と静けさが重なり合う特別な場所です。そのエリアを舞台に、2005年から17年間にわたって親しまれてきた夜のライトアップイベント「東山花灯路」が、5年の時を経て「東山観月路」として新たな形で帰ってきました。ねねの道(約500m)の幻想的なライトアップを中心に、高台寺公園には京都の人気店が多数出店。40日間の夏祭り(縁日)として、さらなる進化を遂げたイベントです。タカショーデジテックは、その東山観月路のイベントライトアップを手がける機会をいただきました。

「東山観月路」WEBサイト ≫

今回のご依頼は、イベント設置(レンタル)としての一時的なライトアップです。最初のご要望はシンプルで、「なにか面白い演出がしたい」という言葉でした。スペックや光源の種類ではなく、訪れた人が思わず写真を撮りたくなるような、翌朝になっても話題に上るような、記憶に残る場の体験ができるライトアップが求められました。その期待に応えるために、タカショーデジテックは伝統的な雰囲気を活かしたライトアップの演出から、RGBプログラム(光の色を自在に変化させる制御方式)を用いた演出まで手掛け、本イベントのプロデューサーとの対話を重ねながら実地検証や設置位置など、計画を練り上げていきました。

今回の「東山観月路」で追加された竹林の光の演出
今回の「東山観月路」で追加された「ねねの道」の光の演出

今回の「東山観月路」で追加された光の演出

竹林に”異世界”をつくる光

東山観月路で取り入れられた竹林のライトアップ

このプロジェクトで最もこだわり抜いたのが、高台寺境内の竹林の演出です。
当初の計画では、RGBライト(赤・緑・青の三色を組み合わせて任意の色を表現できる照明)のみを想定していました。しかし、事前に実機を使った現地実験を行ったところ、「さらにインパクトを与えてみるのも面白いかもしれない」という話が上がり、レーザーライトを加える構成へと発展しました。RGBの色彩とレーザーの鋭い光線が竹の緑に差し込む様子は、日中の竹林が持つ静謐な美しさとはまったく異なる、異世界的な空気を生み出します。

高台寺はもともと年に数回ライトアップが行われ、常設のプロジェクションマッピングなども実施されている観光地です。そのぶん訪れる方の期待は高く、「いつもとは違う体験」を届けることが求められました。プログラムの内容は複数のパターンを制作し、実際に見ていただきながら絞り込んでいきました。テーマとして意識したのは「短時間でインパクトがある演出」です。道が狭く、観光客の往来も多い竹林で人が滞留しすぎないよう、変化のテンポにも配慮しているのも今回の演出のポイントです。

東山観月路のRGB照明とレーザーライトを組み合わせた演出
東山観月路の竹林の演出のバリエーション(オレンジ)

竹林の演出のバリエーション(一部)

\ 実際の演出の動画はこちら! /

動線と明るさを設計する
ねねの道・高台寺公園の趣を活かした演出

東山観月路のねねの道のライトアップ
東山観月路のねねの道から高台寺公園までのライトアップ

ねねの道から高台寺公園までのライトアップ

印象的な演出を施した竹林とは対照的に、歴史的な石畳が続くねねの道のライトアップには、ルーメック Mの狭角タイプを用いて趣のある演出にしています。ただし、人の通行や動線の関係上、ねねの道全体を一直線で照らし切ることは難しい状況でした。そこで、道に沿って広がる高台寺公園の樹木を照らすことで、エリア全体の明るさと華やかさを補う設計にしています。

東山観月路のライトアップ前に現場に赴き調整している様子①
東山観月路のライトアップ前に現場に赴き調整している様子②

ライトアップ前に現場に赴き調整している様子

またイベント設置という性格上、器具を地面に固定することはできません。そのため、設置の安定性や配置の工夫については、実際に現場にも赴きさまざまな検討を行ったうえで、丁寧に説明・議論を重ねました。

東山観月路の演出で夜空に向けて照射されたサーチライト
夜空に向けて照射されたサーチライト

さらに、今回のイベントで特徴的な演出となったのが、夜空へと向けて照射されたサーチライトです。このサーチライトの設置については、高台寺側にもご協力いただいて各種手続きが進められて実現しました。イベントの存在を遠くからでも知ることができる目印の役割を担っています。

主な使用器具

※自社製品の他にも、光の演出に最適な照明器具を選びご提案いたします。

プロデューサーのビジョン、現場の制約、来場者の動線。その三つを束ねながら光の計画を立てていくプロセスは、まさに「対話しながらつくる」という言葉がふさわしいものでした。イベントという期間が限られた場だからこそ、光が場に与える印象の密度を高めることを大切にしています。タカショーデジテックが積み重ねてきた屋外照明の技術と、実験を厭わない姿勢が、この場所ならではの夜を生み出しました。

Credit

照明ディレクター:花田 諒 / RYO HANADA
株式会社タカショーデジテック
営業部 ライティングデザイングループ 兼
Creative Lab. AC マネージャー

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この記事を書いた人

CreativeLab.

『Creative Lab.』は、光を中心に屋外空間にイノベーションを起こすクリエイティブチームです。 デザインやアイデアで光の価値を創造するデザイン・企画チーム(AC)と、技術・開発で光の価値を創造する設計開発チーム(DC)で構成されています。 AC / DCで連携を取り、あらゆる屋外空間に合う光や価値を考え、新しくてワクワクする提案を行っています。

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