2025年4月に開幕した大阪・関西万博。熱気あふれる会場はもちろん、会場の外でも、各地域の魅力を発信するさまざまなプロジェクトが展開されています。
和歌山県内では、地域の価値や空間を“光”で伝える動きがいくつか催されており、タカショーデジテックも技術パートナーとして一部プロジェクトに関わる機会をいただきました。今回はその中から2つの事例をご紹介します。
万博カラーで彩る
シティドレッシング
和歌山県が主催する「シティドレッシング」は、万博開幕直前の2024年12月から2025年3月にかけて、和歌山県内各地の建物や公共空間を彩りと光で演出し、万博の機運を盛り上げる取り組みとして行われました。
第1弾では白良浜や和歌山城公園、和歌山城天守閣を万博カラーにライトアップし、第2弾ではこどもたちや著名人の万博への思いを記したフラッグを県内各所に掲出。第3弾ではJR和歌山駅に隣接する商業施設、和歌山MIOの壁面に万博公式キャラクター・ミャクミャクを用いたプロジェクションマッピングを行い、同時に建物を万博カラーにライトアップしました。さらに熊野本宮大社の旧社地、大斎原の日本一の大鳥居も万博カラーにライトアップ。点灯の最終日にはランタンフェスも行い、万博カラーのランタン300個が浮かぶ幻想的な一夜となりました。
タカショーデジテックは、これらの取り組みにおけるライトアップの設計・演出を担当しました。それぞれの対象施設の特性を踏まえた上で、色や明るさ、光の当て方に配慮した構成を組み、景観との調和を意識した照明で空間を演出。目指したのは地域資源の可視化や訪れる人への印象づけです。「いのちの躍動や輝き」を伝える万博のプライマリーカラーの赤と青。開幕に向け、大阪・関西万博を意識づけると同時に、和歌山らしい色彩表現をまちなかに展開できたのではないでしょうか。
和歌山の魅力を伝える
照明演出のサポート
そして2025年4月13日、いよいよ大阪・関西万博の開幕です。「いのち輝く関西悠久の歴史と現在」をテーマにする関西パビリオン内の「和歌山ゾーン」は、デジテックのクリエイティブアドバイザーも務めてくださっているアート&デザインスタジオ「Tangent」が空間デザインを手がけています。
関西パビリオン内の「和歌山ゾーン」
テーマは「和歌山百景―霊性の大地―」。県独自の文化や芸術、自然、産業とそれらに携わる人々、そして和歌山が育んだ精神世界と実存世界のさまざまな表情を「百景」として表現しています。その1つが会場奥のカウンターバーの壁を彩る押し花アート。和歌山県出身のフラワーアーティスト柊早苗さんが県内の小学生と共に花や草を摘むところから手がけた作品です。灰色や透明のアクリルの中に閉じ込められた植物たち。そのアクリルを光源で縁取るように照らすことで作品が浮かび上がるよう演出しています。タカショーデジテックはこの展示作品の器具選定など、技術面の協力を担当。演出そのものを主導する立場ではありませんが、設計意図を支える技術パートナーとして、演出の実現を支えています。
実際の押し花アートの展示
■関西パビリオン「和歌山ゾーン」
フラワーアート Credit
総合ディレクター:吉本英樹
デザイン:下田益央
フラワーデザイン:柊早苗
写真:照井壮平
今回ご紹介した2つの事例のほかにも、タカショーデジテックでは万博を取り巻くさまざまな動きの中で、地域やパートナー企業と連携しながら光の技術提供を行っています。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに184日間開催される大阪・関西万博。表に出る機会こそ多くないかもしれませんが、その輝きの一部を表現し、空間の価値や意図がより豊かに伝わるよう「光の力」で支えること。それこそが私たちの役割であり、今後も大切にしていきたいと思う私たちのアイデンティティです。
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