日本最古の駅舎の歴史を彩る “長浜鉄道スクエア”のナイトミュージアムの演出
施設のブランディングを
体現する夜の空間

滋賀県長浜市に佇む旧長浜駅舎(現:長浜鉄道スクエア)は、日本に現存する最古の駅舎として知られる文化財です。明治時代から変わらず街に寄り添ってきたこの歴史的な建物を舞台に、夜の光による特別な体験「ウインターナイトミュージアム」が開催されました。通常の展示用照明を消灯し、このナイトミュージアムのために設置された照明へと切り替えることで、昼間とはまるで異なる、静かで奥行きのある世界が生まれました。道路を挟んで向かい側にある慶雲館とも連動し、地域の歴史的建物を活かしたライトアップイベントとして、長浜の夜に新たな彩りを添えるかたちとなりました。今回のナイトミュージアムの照明演出を手がけたのがタカショーデジテックです。その舞台裏をご紹介します。
建物の各所を彩るライトアップ
歴史的建造物だからこその
照明計画

旧長浜駅舎(現:長浜鉄道スクエア)は替えの利かない文化財であり、さらに今回のナイトミュージアムが仮設イベントという背景上、安全性と施工のしやすさの両立が求められました。そこで今回採用したのが、タカショーデジテックが取り扱っているローボルトシステムと、それに対応したローボルト仕様の照明器具です。ローボルトシステムの施工は結線部分にドライコーンを用いるだけなので処理が簡易で、漏電のリスクも少なく100Vのように埋設の必要もないため仮設での配線も取り回しやすいのが特徴です。文化財を守るという観点からも、またレンタル案件として短期間で設置・撤去が必要という条件からも、ローボルトシステムは理にかなった選択でした。
ローボルトシステムについては
\こちらの記事で詳しく紹介しています!/
イベント設置にあたり工夫された照明器具
イベント設置にあたり、駅舎外観のライトアップでは照明器具の土台を新たに製作し、固定せずに置くだけで設置できる工夫も凝らしています。来場者が触れやすい場所では照明器具の固定方法にも一工夫を加え、安全と演出のバランスを丁寧に整えました。施工はタカショーデジテックのメンバーが直接担当したため、現場の状況に合わせて臨機応変に対応できたことも、この空間ならではの仕上がりにつながっています。
シーンに合わせて変える
光の役割
今回の照明計画では、単純に照度を上げて空間全体を明るくすることよりも、光の「見せ方」に重点を置きました。機関車・アプローチ・入口それぞれの場所に役割を持たせながら、夜ならではの体験を生み出す空間を構成しています。また、実際の見え方を確認しながら光の量と方向を丁寧に調整することで、歴史ある空気感を壊さない一体感のある表情をもたらしています。では実際のライトアップのポイントをご紹介します。
機関車 ― 斜光と青の差し色で車体に立体感を宿す

展示されている機関車は、深い黒一色の車体と鮮やかな赤が印象的な車体の2台。黒は光を吸収しやすく、照らしても輪郭が掴みにくいライトアップでの演出が難しい色です。今回の演出では、照射するポイントを丁寧に絞り込み、斜め方向から光を当てることで車体の凹凸や無骨な質感を浮かび上がらせるように細かく調整しました。銘板やドアといった機械的な美しさを持つディテールにもスポットライトを当て、鉄道車両が持つ独特の力強さと表情を引き出しています。また、車体が展示されているレールの枠には青い光を差し込むことで、浮遊感を演出。ナイトミュージアムとしての特別展示の雰囲気を際立たせています。
アプローチ ― 期待感を高める光の導線
来場者が会場へと向かうアプローチにも、光による演出を施しました。入口の壁面に光を当てることで奥への明るさを予感させる「サバンナ効果(※)」を活用し、足を踏み入れる前から期待感が自然と高まるよう設計されました。元々この建物に灯されていたガス灯の雰囲気も大切にしながら、歴史ある空気感を壊さないよう光の量と方向が丁寧に調整されています。
※サバンナ効果…人は空間の奥が明るいと安心できるので進みやすくなり、空間の奥が暗いと不安が出てくるため、進みづらくなるという心理効果。
主な使用器具
※自社製品の他にも、光の演出に最適な照明器具を選びご提案いたします。
日本最古の駅舎という歴史的な空間に、現代の光の技術が静かに溶け込んだ今回のナイトミュージアム。訪れた人々の記憶に、長浜の夜の情景がそっと刻まれたことでしょう。歴史と光が交差するこの場所ならではの体験が、街の新たな魅力を照らし出しました。空間の持つ物語を光で引き出すこうした取り組みは、これからの施設演出においても、ひとつの可能性を示してくれています。
Credit
照明ディレクター:山下匡紀 / MASAKI YAMASHITA
営業部 ライティングデザイングループ 兼
Creative Lab.AC 東京オフィス
マネージャー
武蔵野美術大学 非常勤講師
富山市景観まちづくりアドバイザー
2015年度グッドデザイン賞 復興デザイン受賞
2018年度グッドデザイン賞100 受賞
2022年度日本空間デザイン賞 LongList(入選)
タカショーデジテックがご提案する
\ナイトタイムエコノミーの活用についてはこちら!/
\ DIGISPOT最新情報はこちら /
タカショーデジテックはLEDサイン、ライティング、イルミネーションの最新情報をお送りするメールマガジンを発行しています。











