心地よさを光でつなぐ 南紀白浜“Springs Shirahama”の照明計画
タカショーグループらしさを活かしたホテルづくり

2024年10月にオープンした和歌山県・南紀白浜のリノベーションホテル”Springs Shirahama”。タカショーデジテックはオープンの約2年前からこのプロジェクトに携わり、屋外から室内まで一貫した照明計画をはじめ、サインや家具、建材にいたるまで幅広く設計事務所と協業してきました。
このプロジェクトが始まったのは、設計を担当した楽帆さまからのご相談がきっかけでした。楽帆さまはタカショーグループのビジョンやものづくりへの姿勢をよく理解してくださっており、「ホテル全体を心地よく過ごせる空間にしたい」というご要望のもと、屋外照明だけでなく室内の照明計画まで一括して任せていただきました。また、ホテルの建築を手がけられたのは株式会社石橋徳川設計所さまで、和歌山との深いご縁がこのプロジェクトをつないでいます。照明にとどまらず、LEDサイン、ファニチャー、デッキ建材も含めたタカショーグループとしての総合的なご提案を行った取り組みです。
「明るさのグラデーション」が生む屋外と室内の一体感

照明計画のベースになっているのは、「明るさの変化をできるだけ緩やかにする」という考え方です。ホテル(室内)に近づくにつれて少しずつ明るくなり、(屋外へと)離れるにつれて穏やかに暗くなっていくグラデーション。この連続した光の移行によって、屋外と室内の境界線を感じさせることなく、訪れる方を自然な流れで迎え入れることができます。急激な明暗の切り替えは、屋外と室内をきっぱりと分かれたものに見せてしまうだけでなく、ミラー現象(室内空間が窓に反射する現象)が起こってしまいます。光の量がなめらかに変化するこの設計は、そうした細部への配慮から生まれたものです。では実際、屋外と室内それぞれでどういった演出を施したのかご紹介していきます。
光で誘う動線と長く使える屋外の工夫


サバンナ効果を活かした演出
屋外のアプローチには「サバンナ効果」と呼ばれる心理的な手法を取り入れました。動線の奥を明るくすることで、人が自然と前へ進みたくなる効果を生む演出です。光の配置そのものがひとつの道標となり、夜のエントランスでも、訪れる方が迷わず、心地よく導かれていくような空間を意識して設計しました。
ドッグランエリア周辺の演出
さらに、ドッグランエリアでは犬の糞尿による汚れや劣化を考慮し、エリア外からスポットライトやハイポールライトで照射する設計を採用しています。照明器具をエリア内に設置しないことで、メンテナンスの手間を抑えながら必要な明るさを確保できます。美しさと機能性を同時に成立させる、長く使い続けられることを前提にした実用的な照明計画です。
「外とつながる夜」を実現する室内の光のつくり方
室内の照明設計で特に意識したのが、冒頭でもご紹介した「明るさのグラデーション」です。特に客室では、屋外の露天風呂の演出として、水面に光を当てて反射光で天井に水のゆらぎを投影しているため、室内の光が干渉しないよう、窓際の照明にも細かく配慮を重ねました。外で見せたいものがわかっているからこそ、室内の光の置き方も自然と決まってくる。屋外と室内の両方を手がけることで初めて実現できる照明計画です。
外とのつながりを意識した室内の演出
光の演出と空間の統一感にこだわって
ライン照明とグランドライトで統一した演出
空間全体に統一感をもたらしているのが、ライン照明を多用した演出です。楽帆さまがTGEF(タカショーグループの展示会)でご覧になって以来、ぜひ導入したいと強くご希望されていた「ライティングフェイス」を空間の各所に取り入れ、グランドライトには狭角タイプを採用することで、光の輪郭を引き締めています。
客室番号のサインには化粧材と一体で施工が簡単なだけでなく空間へのなじみもよいDIGITEC SIGN BOARDを採用したり、室内の装飾にはLEDネオンのサインを取り入れたりと、ホテル内のシーンに合わせたLEDサインを導入。照明計画とトーンを合わせたLEDサインが、ホテルの隅々まで丁寧につくり込まれた印象を与えます。ファニチャーやデッキ建材についても設計事務所の楽帆さまと調整を重ねながら、空間全体として一体感のある仕上がりを目指しました。
主な使用器具
ライティングフェイス
※自社製品の他にも、光の演出に最適な照明器具を選びご提案いたします。
屋外と室内、そのどちらかだけではなく、空間全体をひとつの体験として捉えながら設計を行った“Springs Shirahama”のプロジェクト。光のつながりや素材の統一感、細部への配慮を積み重ねることで、訪れる方が自然体で心地よく過ごせる空間が生まれました。タカショーグループとして培ってきた“屋外空間づくり”の考え方が、ホテルという滞在空間の中でも活かされた取り組みです。
Credit
照明ディレクター:花田 諒 / RYO HANADA
株式会社タカショーデジテック
営業部 ライティングデザイングループ 兼
Creative Lab. AC マネージャー
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