夜になるとポール前面にやわらかな光のグラデーションが灯り、足元をひそやかに包む。けれど昼間のその姿は、どこまでも静かで、すっきりとした直線が景観にただ溶け込んでいる。タカショーデジテックとアート&デザインスタジオTangentが手がける屋外照明ブランド『yomosugara』の「Shobu」は、昼と夜で少し異なる表情を見せる灯具です。今回は、「Shobu」の特徴や空間への取り入れ方をご紹介します。デザインの意図や配光の考え方、庭や外構空間への取り入れ方まで、この灯具が持つ魅力を丁寧に紐解いていきます。
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“菖蒲”の姿から生まれた灯具

日本の植物がもつ、静かな凛とした美しさ。その姿をかたちに落とし込んだのが「Shobu」です。
菖蒲(しょうぶ)のすっきりとした草姿を意識して設計されたこの灯具は、LED収納部から先端にかけて薄く絞られた、細身でシャープなシルエットが特徴です。余分な装飾をそぎ落としたすっきりとしたフォルムと、細部まで丁寧に整えられたライン。そのどれもが「よく考えられた道具」という印象を、静かに、しかし確かに伝えてきます。
植栽の中に配置したShobu(左:日中,右:夜)
実際に植栽の中に配置してみると、細身のラインが草や葉の表情と自然に溶け合い、灯具が主張しているという印象をほとんど受けません。単体では個性的にも見えるそのかたちが、緑の中に置かれた途端に景観へと溶け込む。その自然な馴染み方こそが、Shobuというプロダクトの設計の核心にあるものです。
日本の自然や植物に着想を得た『yomosugara』のものづくりの考え方が、Shobuの細部に丁寧に宿っています。
「かたち」と「光」が互いを支える設計

Shobuは光源(LED)を直接見せない、完全な間接光タイプの灯具です。上方への光が抑えられているため、見下ろしたときのまぶしさがなく、夜の空気をそのままに、静かに光をそえます。やわらかな光でありながら、地面はしっかりと明るく照らすことができます。タカショーデジテックの製品ラインナップでいえば、アプローチや通路の足元を照らすパスライトに相当する役割を担います。
光源は、ポールの折れ曲がった部位に収められています。その光が支柱に当たることで陰影が生まれ、グラデーションのように照らし出されます。その静かなうつろいが、夜の庭に奥行きと落ち着きをもたらします。そしてこの折れ曲がりは、配光のための設計であると同時に、Shobuのプロポーションを決定づけるかたちでもあります。光が生まれる場所そのものがデザインの一部として成立しているからこそ、灯りを放たない昼間も、その姿は景観にすっと溶け込みます。
使う場所に合わせて選ぶ2つのタイプ
Shobuは、配光の向きと灯数の異なる2タイプを展開しています。空間の使い方や光の届かせ方に合わせて、それぞれの特徴から選んでいただけます。
「Shobu double」は2灯タイプです。光を一方向に集中させる設計で、門扉から玄関へと続くアプローチや、塀際の植栽帯に沿って導線を示したいシーンでその性質が活きます。旅館や料亭の玄関へと誘う石畳の脇など、訪れる人の歩みをそっと先導したい場所にもよく馴染みます。足元に細長く伸びる光の筋が、歩く方向を静かに示すような、落ち着いたガイド感が生まれます。
「Shobu triple」は3灯タイプです。3方向へ光をひらきながら、それぞれが干渉し合わずに空間へ届きます。複数の動線が交わるコーナーや角地、あるいは庭の中で視線が集まる木の根元など、空間の中心に立つ一本として据えると、光が自然に周囲へにじみ出すように広がります。住宅の庭はもちろん、旅館の中庭や回廊に沿った植栽など、周囲を人が行き交う場所でも、光が静かに空気をつなぐような役割を担います。
どちらのタイプも、植栽の中に差し込んでも、舗装の切れ目にひとつ据えても、Shobuらしい凛とした立ち姿が損なわれることはありません。住まいの外構から、宿や商業施設の屋外空間まで、場所の性格や人の流れを手がかりに、光の向きを選んでみてください。
Shobuが体現しているのは、かたちと光が一体となって空間をつくるという考え方です。灯具としての機能を果たしながら、昼も夜も景観の一部として静かにそこにある。植物の姿から着想を得たこのプロダクトには、屋外空間への丁寧なまなざしが、ひとつの道具のかたちを通じてにじみ出ています。庭や玄関まわり、アプローチなど、日常の風景に静かに寄り添う場所へ、ぜひ取り入れてみてください。
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