「光の演出で人の心を彩る」をビジョンに掲げ、屋外照明、LEDサイン、イルミネーション、さらにはデザインまで幅広く手掛けるタカショーデジテックでは、お客さまに光の価値をお届けするため、それぞれの部門のプロフェッショナルたちが日々、技術を磨き知識を蓄えています。さまざまな部署があるなか、屋外の光の価値を生み出し、さらにはその魅力を伝える“Creative Lab.”という部署があり、さらにそのなかでもデザインやアイデアで「光の価値」を創造するのが“AC”(デザイン・企画部門)です。今回はそんなCreative Lab. ACメンバーが、デザインの視野を広げるために、昨年に引き続き実施した研修旅行「ACツアー」第2弾の様子を、実際に参加したメンバー2人がお届けします。
今回のレポーター
Mさん
2024年度中途入社。
靴の企画 デザイン、タオル手拭いの企画 テキスタイルデザインの経験を経て、自身のワクワクと世の中へワクワクを提供できる場を求めてタカショーデジテックへ転職。現在は商品企画に在籍し日々知見を広げながら、楽しみをクリエイトする為の苦悩を満喫中。プライベートではテンテコマイな二児の母。
池田 楓
2023年度新卒入社。
デザイン科の高校を卒業後、幼い頃からの夢だったデザイナーとしてキャリアをスタート。現在はデジテック製品のカタログ制作を中心に、グラフィックからイラスト制作まで幅広く手がけている。
趣味はかわいいものを見つけること。「お気に入り」に囲まれるとやる気がぐんとアップする。特技は早起き。
非日常でアートに触れる時間
ACツアーの概要
冒頭でもご説明した通り「ACツアー」と題して、タカショーデジテック Creative Lab. ACのメンバーで、2025年9月19日から20日の2日間にわたり香川県に行きました。「ACツアー」と題した今回の研修旅行は、日常の業務から離れた環境で、アートやデザイン、各地の自然や文化に触れることで、デザイン力アップを図ることができないかという社員の意見から企画されました。第2回の行き先となったのは、香川県 直島と豊島(てしま)。今回は海を渡ってアートな島を巡る旅です。ACチーム内4部署の15名と、社長の古澤の計16名が参加しました。
豊島・直島 島×アートの魅力
第1回目となった昨年は、和歌山・大阪から離れすぎず、近すぎずの距離にある岡山県で開催された『森の芸術祭 晴れの国・岡山』を訪れました。そして2回目の今回は、さらにもう一歩、日常から離れるため、海に囲まれた“島”という環境を舞台に選びました。時間の流れや空の色でさえ、いつもと違って見えるような場所です。建築やアート作品が集まった、島全体が作品のような豊島と直島。さらに今年の5月には「直島新美術館」が開館したことで、ますます注目度が高まっています。こうした背景から2回目のツアーにはまさにふさわしい場所として、豊島・直島が選ばれました。
ACツアーの目的
昨年同様、ACツアーにはインプットとアウトプットの両軸で目的があります。
インプットの目的は、「観察力を鍛える」こと。アートという明快な答えが見えにくいものを読み解き、推察し、理解することを試み、新たな視点の獲得を期待します。
アウトプットの目的は、見たことや感じたことを「言語化し伝える力を鍛える」こと。正解のない物事について自身の見解を述べたり、他人の視点や感じ方に触れるため、ツアー1日目の夜とツアー終了後にそれぞれ得た感想を伝える意見交換の時間を設けました。
また和歌山本社と大阪、2拠点のメンバーが参加したため、チームや拠点を超えて親睦を深めることもACツアーの重要な目的です。
これらの目的のために、ACツアーでは各メンバーに役割が与えられます。企画やスケジュール担当、旅のしおり制作、現地での撮影・記録など各自のクリエイティブな能力を活かし、どうすればツアーを盛り上げられるか考えながら業務の合間を縫って準備を進め、当日ツアーに参加しました。
島×アート 豊島・直島
\前回のACツアーの様子はこちら!/
現地での様子
1日目 豊島メイン
6:00 – 移動開始
普段より早い時間の集合に、少し眠そうな表情を浮かべながら各拠点に集まったメンバーは、和歌山・大阪からそれぞれ車2台ずつで出発。最初の集合場所である西宮名塩SAを目指します。
8:00 – ツアー参加メンバー集合
昨年の渋滞を踏まえ、今年は少し早めに拠点を出発した和歌山チーム。渋滞に巻き込まれることもなく、2チームとも余裕を持って集合場所に到着。2回目のツアー開催ともなると、すっかり慣れた様子のメンバー。手作りのガイドブックが配られると、いよいよ旅の始まりを実感します。さらに、車のメンバーを決めるためのくじ引きでは、わくわくとドキドキが入り混じり、期待感が高まります。
11:00 – 宇野港から家浦港(豊島)にフェリーで移動
宇野港に車を置いて、家浦港まではフェリーで移動。穏やかな時間が流れる港町・宇野港を出発し、フェリーに揺られながら豊島へと向かいます。心地よい風と景色に、自然と気持ちも高まります。昼食は各自が用意したご飯で腹ごしらえをし、お腹も満たされたところで豊島に到着です。
フェリーでの優雅なひとときを楽しむメンバーたち
12:00 – レンタカー移動
豊島内はレンタカーを使っての移動です。親切な「レンタカーあき」さんが、豊島のスポットを丁寧にまとめた手作りの地図を用意してくれました。島の雰囲気にぴったりなカラフルで遊び心のあるペイントが施された車をお借りして、豊島を巡ります。
12:30- 豊島美術館
天候にも恵まれた1日目最初のアート鑑賞は、瀬戸内海を望む豊島唐櫃の小高い丘に建つ「豊島美術館」。丘を登っていくと目の前に現れるのは、水滴のように静かに横たわる白い建物です。中へと足を踏み入れてみると、広がっているのは柱が一本もない真っ白な空間。天井に大きくあいた開口部を覗くと、鮮やかな緑と青が切り取られていました。床からは無限に、しかし静かに水が湧き出し、集まっては流れていく…その繰り返しがどうしてか見飽きることなく心をとらえます。鑑賞している人々は寝転がってみたり、流れる水をじっと見つめてみたり、誰もが自由にその空間と向き合う姿が印象的です。
鑑賞を終えた後は、美術館に隣接するカフェ・ショップへ。豊島のフルーツを使ったドリンクやアイスでリフレッシュをし、ここでしか手に入らないオリジナルグッズを見て回りました。

13:30- 心臓音のアーカイブ
次に向かったのは、人々の生きた証として心臓音を収集するプロジェクト「心臓音のアーカイブ」。長い小道を抜けた先、海にひらけた場所にひっそりと建つ小さな美術館です。ここには、インスタレーションの「ハートルーム」、心臓音を採録する「レコーディングルーム」、そして世界中で収集された心臓音を聴くことができる「リスニングルーム」の3つの空間があります。ハートルームに入ると、廊下のように細長い空間に一本の電球が吊るされていました。その光は、スピーカーから流れる心臓の鼓動に呼応するように点滅します。頼りない灯りと響く鼓動音に包まれるうち、まるで自分の心臓までもがそのリズムに引き寄せられていくよう。音と光を通して、人間同士が共鳴する不思議な力を感じました。
14:30- 豊島横尾館楽園
1日目の最後の目的地として訪れたのは、島の穏やかな景色とは対照的に、鮮烈な色彩で横尾忠則の世界を閉じ込めた「豊島横尾館」。真っ赤なガラスに覆われ、大きな煙突が突き出たような独特の構造が印象的な建物は、遠くからでも強烈な存在感を放ち、足を踏み入れる前から心を揺さぶられます。入口で赤いガラス越しに眺めていた日本庭園は、モノクロのように見えていたのに、実際に足を踏み入れてみるとその印象が一変。岩は鮮やかな赤に塗られ、池のタイルは青と黄色の大胆な色使い。想像とのギャップに、思わず息を飲む瞬間でした。そして何より印象的だったのは、古民家の静けさを大胆に切り裂くような作品たち。その作品から、誰に何と言われようと自らの美学を貫く強さと、芸術家としての確固たる意志を感じさせられました。
15:30- 豊島エスポワールパーク
1日目の目的を全て達成することができたので、「レンタカーあき」さんおすすめの、豊島エスポワールパーク内のカフェでひと息つくことにしました。カフェを併設した宿泊・イベント・研修施設は、落ち着いた雰囲気の中に、島の自然とアートがさりげなく溶け込んでいます。お店の方が、丁寧に施設の案内をしてくださり、その温かい笑顔から、地元の人たちの豊島への愛情がひしひしと伝わってきました。さらに、豊島の形をかたどったオリジナルポストカードを、ひとりひとり手渡ししてくださったことで、島とのつながりを肌で感じることができました。
アイスクリームやスープで小腹を満たし、お腹も心も温まったメンバーは、お店の方がおすすめしてくれたアート作品を目指し、車を走らせました。
16:30- 国境を越えて・祈り / 海を夢見る人々の場所
海に出るとまず目に飛び込んできたのは、砂浜にずらりと並ぶたくさんの子どもたちの像。「国境を越えて・祈り」と名付けられたこの作品は、子どもたちがそれぞれの国の方角を見つめ、世界の平和と幸福を祈るメッセージが込められているそうです。穏やかな表情を浮かべる子どもたちは、まさに国境を越えた平和の象徴のように感じました。
すぐ隣には、海を眺めるように設けられた大きなベンチ「海を夢見る人々の場所」。流木のような質感が海とよくなじみ、長い時間をかけてここにたどり着いたかのよう。メンバー16人全員が並んで座れるほどの大きさは、人と自然だけでなく、人と人とがゆるやかにつながっていく場所のように感じます。

17:00- 家浦港(豊島)から高松港に高速船で移動
家浦港からホテルのある高松港へは高速船で移動。豊島行きの船よりひと回り小さいため、外の座席に腰をかけ、潮風を浴びながらの帰路となりました。波がざぶんと打ち寄せるたびに海水がかかり、それすらも楽しい体験に。行きの優雅な船旅とはまた違った、海を間近に感じる時間を楽しみました。

19:00- 夕食 / 感想会
ホテルに荷物を置いたあと、夕食会場の「鮨司割烹 豊しま」へタクシーで移動。旬の食材をふんだんに使った本格和食と新鮮な魚を味わいながら、笑顔と会話が自然に広がっていきました。場が温まったところで始まった感想会のテーマは「最も印象に残ったアート」。心を奪われた作品を語る人もいれば、理解が追いつかなかった作品や、どこか苦手に感じた作品を挙げる人もいました。好き嫌いの感情や戸惑いもその人にとっては大切な体験で、言葉のひとつひとつから、アートが人の心に与える力の大きさを感じました。正解も不正解もない世界で、それぞれの感じ方や考え方を尊重し合えるメンバーがいるからこそ、安心して思いを語り合える。そんな環境に身を置けることを、あらためて嬉しく思いました。
最後はお決まりの一本締めで会を締めくくり、二次会に向かうメンバーとホテルに戻るメンバーに分かれて、ACツアー1日目は幕を閉じました。
2日目 直島メイン
8:00- 2日目スタート
2日目のスタートはホテルのロビーで集合。前日の食事会の影響で若干名の二日酔いさんが見受けられましたが、タクシーに乗り込みフェリー乗り場へ。フェリー出航までの待ち時間には社長の計らいで、一人一杯、朝のドリンクをいただきました。皆遠慮なく思い思いのメニューを注文をするところが、ACメンバーらしいなと思いました。この自由な雰囲気こそがクリエイティビティの根源、なのかもしれません。
9:00- 直島新美術館 / 入り口
2025年5月31日に新しく開館した直島新美術館へ。こちらはベネッセアートサイト直島における安藤忠雄設計施設の10番目となるアート施設。「開館記念展示―原点から未来へ―」が開催中で、日本、中国、韓国、インドネシア、タイ、フィリピンなどアジア出身の著名アーティストの作品を中心とした展示が行われていました。安藤忠雄建築の素晴らしさもさることながら、設置された照明器具をまじまじと見るあたりがこのチームらしいなと思いつつ、展示内容も思い思いに鑑賞していましたので、メンバー間で話題に上がったものから一部紹介していきます。
直島新美術館 / ヘッド・オン
メンバーの関心が高く、留まる時間も長かったのがこの「ヘッド・オン」でした。こちらは中国の現代アーティスト蔡國強の作品で、精巧につくられたオオカミが99匹も並んだ壮大なもの。様々な表情と躍動感のある動きをしたオオカミたちは、躊躇うことなく一斉に全力でガラスの壁にぶつかりに行っています。彼ら(オオカミたち)のとてつもない強い意志を感じ、諦めない強い気持ちをもらったり、お気に入りのオオカミを見つけて心奪われたり、作品のメッセージを資料から得て、歴史や社会へ思いを馳せて感慨深く思ったメンバーもいたようです。みんな時間をかけてよく観察していました。
直島新美術館 / Hub/s
作者のソ・ドホがこれまでに暮らしてきた世界各地の家やアトリエを鮮やかな布を使って再現した作品。骨組みこそ金属性の細い棒が使用されていますが、扉や窓枠のディティール、電話機や消防設備にいたるまですべてオーガンジーらしき布で再現されていました。中に入ってじっくりその場を感じることでその国の雰囲気を感じられるような、まるで自分が住んだことのあるような、面白い感覚がありました。製作時間や、製作方法など作品作りへの執念や行程が気になったメンバーは多かったようです。ものづくりメンバーらしいですね。こちらも皆、細かい所までじっくりと観察していました。
直島新美術館 / その他
その他の展示も皆各々の視点で鑑賞。美しい光の反射に魅了される者、難解な作品に対峙し理解を試みる者、素材が気になって魅了され観察する者、思い思いにアートに触れていました。

12:00- 南寺
直島新美術館での鑑賞を終え、南寺へ。こちらはジェームス・タレルの作品を鑑賞、いや体験?することができます。15分ごとの完全入れ替え制かつ人数制限があるため、ジャンケンで勝ち組/負け組を決めて勝ち組から先に入館することに。南寺の脇で十数分ほど待った後、いざ入館。普段と違う空間にワクワクするメンバー、不安になるメンバー、眠気を誘われてしまったメンバー、リアクションは様々でした。作者が明かりを追求しているように、我々も明かりを追求・探求し操っていきたいものです。

12:30- ANDO MUSEUM
古民家に入ると、そこはコンクリートと木の建材が絶妙にマッチした内装。奥に進むにつれ完全なコンクリート空間になっていきます。ここでは安藤忠雄がこれまでに取り組んできたプロジェクトを、手書きのラフスケッチや説明とともに詳しく学ぶことができました。室内には照明が設置されておらず、自然光だけでこの明かりが確保されている事に感嘆するメンバーの声が聞かれました。有名な光の教会の模型が展示されており、スマホのライトを使って光がどう移動するのかを観察している来訪者もいらっしゃいました。

13:00- 昼食 / あいすなお
お待ちかねのお昼ご飯は、古民家カフェ「あいすなお」さんで。岡山産有機モチモチ玄米、瀬戸内郷土料理「呉汁」などお野菜いっぱいのビーガン健康ランチセットをいただきました。楽しいおしゃべりと美味しいご飯で健康になったところで、次の目的地へ向かいます!

15:00- 地中美術館
腹ごしらえを終えバスで向かったのは、こちら地中美術館。予約の関係上、2チームに分かれての入館でした。そこでジャンケンをして勝ち組と負け組に分かれることに。勝ち組の皆さんは先に入館し、負け組の皆さんは数10分間、門前でお預けに。南寺でも勝ち組 / 負け組ジャンケンをしていたため、この待ち時間中には“最たる敗者”を決めるジャンケン決戦が行われました。負けの環境さえも楽しむクリエイティブな心意気が感じられますね。美術館の中ではモネファンのメンバーが念願のモネ作品に対峙したり、ジェームズ・タレルの抑圧に負ける者がいたり、建築美に感嘆する者がいたりと、皆さん自分の感性のままに見て感じている姿がありました。今回が再訪となったメンバーは「以前来た時と違う感想を持った」と話していて、常設展示でありながらもその時々で楽しめる美術館になっていること、それなら数年後また違う感じ方をしに戻りたい、と思わせられました。

17:35- 宮浦港→宇野港(フェリー)
名残惜しいですが、ツアーもお別れの時間です。地中美術館のバス停にて人数確認を済ませ、港へ向かう為のバスを待つ つつじ荘へ。つつじ荘では直島出身の佐藤達雄が作詞・作曲された「おやじの海」が大音量で流れます。昭和52年に大ヒットした演歌との事で、旅立つ我々をお見送りしてくれている様です。宮浦港からフェリーに乗り、宇野港へ向かいます。乗り込んだのは「新造船 あさひ」“アートな船旅” を謳うホテルラウンジ風のお洒落な船内で、快適なひと時をそれぞれに過ごしました。

18:00- 宇野港→SA(車)
宇野港に到着。人数確認と一旦の締めのあと、4台の車に分かれて再び出発します。拠点の和歌山と大阪がはるか遠くに感じます。各車内では、ツアーで見たアートの感想を話し合ったり、車のスピーカーを取り合ってDJ大会が行われたりして盛り上がったようです。仲の良さが伝わってきますね。途中でSAに寄り、家族や各拠点のメンバーにお土産を購入。ここで最後の挨拶をし和歌山チーム、大阪チームに別れて解散。仲も深々と深まったところで、ACツアー第2弾が幕を閉じました。
振り返り会
デザイン力を上げるための今回の「ACツアー」は、アートという明快な答えが見えにくいものを読み解いて推測し、自身の見解を言語化すること、そして意見交換を通じて他の人の感じ方や視点に触れることを目的としていました。そこで、ツアー終了後に自身の得た感想を言語化するためのアンケートを実施し、それらを資料にまとめた上でランチミーティングという形式で振り返り会を行いました。1日目の夕食会で話せなかった2日目のアート作品に関する各々の感想や、1つのアートに対する深掘りした感想などを述べていきました。
今回のアンケートでは「ワクワクした作品3つとその理由」「理解できなかった作品とその理由」「今回の研修ツアーでどのような学びがあったか」などの質問をして、16名全員から回答を得ました。作品に対する考察や視点が人によって違い、とても興味深いものとなりました。その中で人気のあった作品トップ3とその理由をご紹介します。

アンケートの人気投票
第1位 「豊島美術館」母型 内藤礼
【ワクワクした理由】
・「日常」において当たり前な存在の「水」や「風」などの自然の要素を、あえて壮大な建築という装置の中で「非日常的」にみせて感じさせる、その考え方が素敵だなと思いましたし、あとは直感的にあの空間で過ごす時間がいつまでも続いてほしいなと思うくらい好きでした。
・最初は「何なんだこれは?休憩所?」という感情で足を踏み入れたが、足元から湧き出てくる水やその水が大きな水たまりになり何かの生命体のように太陽の光の下へ吸い込まれていく様子に、何故か惹きつけられ、気付けば座り込み水の動きに集中していた。こんなにも無心になれたのは久しぶりで脳内がリセットされた。あの空間を出る時、「休憩所?」と思い見えていた人の姿も、太陽の光に吸い込まれている人間(生命体)という一種のアートに見えた。
・窓ガラスの水滴が生きているように流れるのを見るのが子供の頃から好きだったが、そんな「あるある」が壮大な装置を造ってクローズアップされていることに感激した。
・普段見ている水とは違った様子で、流れる水をずっと見ていられた。生き物のように自由に動いているように見えるが、実はきちんと計算されているのだろうという動きで、どのように計算したのか考えることも面白いと感じました。
第2位 「南寺」 ジェームズ・タレル
【ワクワクした理由】
・これまでのアート作品の中でも経験したことがない体験で、好き嫌いの感情よりも驚きの方が先に来る作品でした。また、自身がどう感じたかということよりも、感じたことの意見交換が面白い作品だなと思いました。
・ 以前芸術祭期間中に1度訪れたことがあったが、その時はぼんやりとしか認識できず。以前は立ち上がって歩き回る案内はなかったのでアートの詳細が掴めなかったのですが、今回は2回目ともあってしっかり体感できました。人間が持つ目の構造、錯覚を使った体験が以前も今回も強く印象に残っています。
・壁を頼りに暗闇の中を指定位置まで進んでいくのは、「水曜日のダウンタウン」でアイマスクをされて連れて行かれるときのような感覚なのかな?と思っていました。自分の目が暗闇に慣れていくことや、体験者が加わることで作品が完成する点がとても面白かったです。地中美術館のジェームズ・タレルの作品も印象に残っています。
第3位 「ヘッド・オン」蔡國強
・ 躊躇なく突き進む狼の表情など、いろいろな場面や気持ちを表現していて感情移入がしやすく、ダイナミックな作品で個人的に好きな作品だった。悔しそうに壁を見つめる狼が印象的でさまざまな狼の視点から作品を見る楽しさがあった。
・作品のある空間に入った瞬間、99匹の狼たちの圧倒的な迫力に目を奪われました。さまざまな表情を見せる狼の顔を何度ものぞき込んだり下から眺めたりと、視点を変えながら見入ってしまい気づけば長い時間その場に滞在していました。特に前足の力強さとしなやかさがお気に入りです。細部まで作り込まれた造形は強い生命感があり、本当に命が宿っているかのように感じられました。現実の狼は危険な存在で、近づくことができないからこそ、この作品の中で至近距離から向き合えたことが特別な体験となりました。
・99体もの狼が一つの壁に向かって勇敢に立ち向かう姿は圧巻でした。特にお気に入りだったのはウルウルとした目で遠くから壁を見つめていた狼で、その純粋な眼差しに心を奪われました。また、いただいた解説用紙には「ベルリンの壁と同じ高さのガラスの壁が用いられている」と記載されており、ただ作品を目で見ただけでは気づけなかった背景や意義を後から知ることができた点も印象的でした。
いかがだったでしょうか。一部の意見しかご紹介できないのがとても残念なくらい、それぞれがACツアーで自身のインプットを得て帰ってきました。それだけでなく、メンバー間で意見交換をすることによって新たな視点を得ることができました。
今回で2度目となった、社長も含めてデザインに関わるメンバーが一堂に会して行ったデザイン研修ツアーでした。このような機会を与えてもらえることに感謝して、今後もこのような取組みを継続していきたいと思います。その様子はまたお伝えしていきますのでご期待ください。
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