<DIGITEC SIGN NEWS 10月号> 電圧・アンペア…知っておきたい電気のキホン!

こんにちは。いつもお世話になっております。
DIGITEC SIGN NEWSをご覧いただきありがとうございます。

「秋の夜長」と言われるように日没の早さを感じるようになりました。夕暮れ時には宵明星である金星が輝きを放ち、やがて天頂には四辺形「ペガサス座」。北の空にはWの形でお馴染みの「カシオペア座」など秋の星座が浮かび上がります。また、1週間前の10月17日は、2024年の中で地球からもっとも近い位置での満月となり、年間を通じて一番大きく見える日でした。空気も澄んで光も一層眩く季節。各地で紅葉のライトアップも始まり、移り行く季節を感じながら夜の散策をするのも乙なものです。

今回のメールマガジンでは皆さまから多く質問を寄せられるサインの「電圧」や「電気容量」について、デジテック流にわかりやすくご説明いたします。電気のことはさっぱりという方や何となく知っているけど詳しいことはわからないという方にご一読いただけると幸いです。

LEDサインの一般的なイメージ

LEDサインは電気製品です。取り扱いに関してはある程度の専門知識は必要になります。
それ故に難しいイメージや苦手意識を持たれる方も多いですが、扱う電圧やポイントさえ理解すれば電気工事の資格がない方でも接続は可能なのです。

電圧の違い、電流と総電力の算出、電圧降下、電源の最大許容電力など。その殆どは中学校までに理科の授業等で習った知識で理解することができます。順を追っておさらいしてみましょう。

LEDサインの電圧

一般的な電化製品のイメージ
電気工事などのイメージ

一般的な電化製品(左)や電気工事(右)のイメージ

多くの方がご存知の通り、日本では一般家庭コンセントの電圧は交流100Vです。
しかし、交流100Vは感電や漏電を起こした場合危険性が高く、電気工事士資格が必要であり、特に屋外や湿気の多い場所での接続には注意が必要です。そういった側面もあり、LEDサインのほとんどは電源を通して、電気工事士資格がなくても安全に扱えるローボルト(低電圧)に変換させて使用するのが主流です。(ローボルトの電圧として主流なのは「12V」もしくは「24V」です。)

LEⅮサインに使用するLEDのイメージ1
LEⅮサインに使用するLEDのイメージ2

サインに使用するLEDのイメージ

一般的なLED(白色・電球色)は1球3V~3.6Vの電圧で発光します。そしてLED複数個を直列に繋ぎ合わせたものを「回路」と呼びます。1回路=1セット、と考えると分かりやすいかもしれません。

「回路」でも、3球繋いだものは「3直列」、6球繋いだものは「6直列」と呼びます。
1球でもLEDが球切れすると回路は機能しません。よって6直列の場合、1球切れることで6球全部が光りませんが、3直列なら3球のみ光らなくなるので、6直列よりも暗さが目立ちにくいという利点が挙げられます。
たとえば、サインに使用するLEDが3.6Vの場合、3直列に流れる電圧は3.6V×3球=10.8Vとなります。このとき、12Vを加えても過電流によってLEDが破損しないよう電流制限抵抗を回路に加え、12Vで点灯するようにしています。

同じ様に6球を繋げば計21.6V。前述の電流制限抵抗を加えると24Vで点灯します。
広い発光面積を光らせたい場合は多くのLEDが必要です。
3直列1回路…12V(3球発光)
6直列1回路…24V(6球発光)
とすると、12Vと比べ24Vの場合、同じLEDの数なら回路数は半分になります。たくさんのLEDをサインに組み込む場合は24Vの方が回路数は少なく作業性も良く構成もシンプルです。
ただし、下記の表のようにそれぞれにメリット・デメリットがあるため、一概にどちらがいいということは言えません。

12V/24Vのメリット・デメリット

また、12V仕様のサインに24Vの電源を接続すると、LEDに許容量を超える大きな電流が流れ、過熱して壊れます。これは、LEDの最大電流より大きな電流が流れるためです。結果として、電線の絶縁が破壊され、短絡や火災の原因となることがあります。
万が一電圧がわからない場合は必ず、取扱説明書や付属品を確認してください。


電流の出し方と、総電力の算出

電圧・電流・電力・抵抗の関係を蛇口と水に例えた図

これも現場などで必要な知識ですので、知らなかったという方はこの機会に覚えていただければ、今後の役に立ちます!

まず、「電流」は電気の流れる量を表す単位です(表記はAと書いてアンペアと読みます)。
1Aとは、1秒間にどれくらいの量の電気が流れるかを表しています。

水道の蛇口を例に当てはめてみましょう(上図)。
細い蛇口だと水は少ししか出ませんが、大きければ大きいほどたくさんの水が出ます。この蛇口を1秒間に通る水の量を、電気に置き換えたものが「電流」となります。
最近では、スマートフォンやモバイルバッテリーで「アンペア」という言葉を目にすることが多いのではないでしょうか。先述のものだとアンペアが高いほど充電時間も早いです。
電気の使用量も大きくなるため、使用する電源や電線が適しているか確認が必要になります。

電力(P)・電圧(E)・電流(A)の関係性

電流は、電力(ワット:表記はW)を電圧(ボルト:表記はV)で割ることで求められます。
例えば24WのLEDサインを12Vで動かす場合、電流は以下のように計算できます。
電流=電力÷電圧 ⇒ 2A=24W÷12V
したがって、このLEDサインを動かす場合、2Aの電流が流れる事になります。

また、複数のLEDサインの電力(W)を計算する場合には、全LEDサインの電力を合算すれば計算できます。例えば、24WのLEDサインを10個使用する場合は以下のようになります。
総電力=10個×24W=240W


「電圧降下」とは何か

「電圧降下」とは、電線に電流を流した際に、電線の距離を延ばすほど、延ばした先の電圧が下がっていくという現象をいいます。

水撒きホースのイメージ

水撒きホースのイメージ

水撒きホースを例に当てはめてみましょう。
電流を「水の流れる量」、電圧を「水圧」、電線の距離を「ホースの長さ」と考えてみてください。
ホースの長さを伸ばすと、ホースの先から出る水圧は下がります。これは、水がホース内を通る際に、ホースの内側の壁にぶつかってどんどん勢いがなくなっていくためです。同じように、電線の距離を伸ばす程、電線の先端付近の電圧は下がっていきます。
  
電源から出る電圧が高くても、接続したLEDサインや電線の距離が長いと、末端に行く程に電圧は下がっていきます。この「電気の流れにくさ」は、抵抗(アール:単位はΩ)と呼びます。

例えば、消費電力12WのLEDサインを使用する場合
12V仕様の場合は、12W÷12V=1Aの電流が流れ
24V仕様の場合は、12W÷24V=0.5Aの電流が流れます。
つまり、12V仕様の方が24V仕様に比べて2倍の電流が流れることになります。

また、電源とLEDサインを繋ぐ電線距離は、延ばせば延ばすほど電圧降下が著しくなります。
これは、電線が長くなるほど抵抗が大きくなるためです。そして、電線は太いほど抵抗値は小さく、細いほど抵抗値が大きくなります。
このため、長い距離を延長する場合は、太い電線を使用することで電圧降下の影響を小さくできます。
電圧降下があまりにも著しいと、LEDサインを正常に動作させるための電圧を下回ってしまいますので、明るさが出なかったり、正常に点灯しない等の原因となります。

電源トランスから離れた場所にLEDサインを設置する場合だと太い電線を使用したり、24V仕様で製作することにより電圧降下を抑えることができます。


電源の最大許容ワット数とは

LEDサインの点灯イメージ

LEDサインのイメージ

電源のイメージ

電源のイメージ

繰り返しになりますが、LEDサインのほとんどは電源に接続することで点灯します。その最大許容電力は、電源が安全に供給できる最大の電力を指します。
例えば、最大許容電力が100Wの電源を使用する場合は、接続するLEDサインの総電力が100Wを超えないようにする必要があるのはご理解いただけると思います。
最大許容電力を超えて接続すると、電源が故障する可能性があります。

また、最大許容電力100Wの電源の場合、最大何Wまで繋げることが出来るのでしょうか。
普通なら100Wまで、そう思われて当然かもしれません。
しかし、電源は年単位で使用するものですので、100%の力で常に使い続けていると劣化が早まります。長期的にご使用いただけるよう、70〜80%の力で使うことを推奨しております。

よって、100Wの装置の場合は合計で80Wまで。50W装置なら合計40Wまでを目安にLEDサインと繋いでください。

さまざまなLEDサインのイメージ

いかがだったでしょうか。
電気に少し苦手意識を持たれていた方でも、大まかなイメージはつかめていただけたかかと思います。
もちろん専門的な部分に関しては私共タカショーデジテックまで何なりとご質問いただければ担当がしっかりとお答えさせていただきますのでご安心ください。


最後までご覧いただきましてありがとうございました。
これからも当社の最新ニュースを皆様にお届けしてまいります。
どうぞ引き続きご愛顧のほどよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人

営業部 サイングループ

LEDサインの営業をメインに行う営業グループです。 東京オフィスと大阪オフィスを起点に、日本全国の様々な商業空間にLEDサインをはじめとする屋外の商材を提案しています。定番商品のご提案だけではなく、よりお客様の理想やイメージに近いLEDサインに仕上げられるよう、柔軟なご提案ができるよう心がけています。

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