歴史建築の魅力を引き出す夜の表情 “浅草寺”のナイトタイムイベント演出

ナイトタイムイベントとして描いた
“浅草寺”の夜の表情

「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2025」で株式会社一旗さまが手掛けたプロジェクションマッピングの様子①
「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2025」で株式会社一旗さまが手掛けたプロジェクションマッピングの様子②

株式会社一旗さまが手掛けた
今回のプロジェクションマッピング

東京を代表する歴史的な寺院・浅草寺。今回のプロジェクトでは、ナイトタイムの観光コンテンツとして株式会社一旗さまが手掛けた「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2025」において、庭園エリアの光の演出をご依頼いただきました。この期間のみ特別に解放された伝法院庭園を舞台に、屋外ライトアップを担当しています。庭園に夜のフォトスポットを作り出すことが目的でしたが、その見応えを求められる一方で、演出が華美になりすぎてしまっては、浅草寺が本来持つ厳かな空気感を損なってしまいます。光によって人を集めるのではなく、あくまで空間の魅力を引き立てること。そのバランスを丁寧に探ることが、今回の大きなテーマでした。

タカショーデジテックがメインで手掛けた伝法院庭園のライトアップの様子
タカショーデジテックがメインで手掛けた伝法院庭園

都会の中にありながら、境内に一歩足を踏み入れると、時間の流れが緩やかに感じられる浅草寺。訪れる人が立ち止まり、夜ならではの情緒を静かに味わえるよう、光は主張しすぎず、空間に寄り添う存在として計画しています。イベントとしての特別感を備えつつも、歴史ある場所にふさわしい佇まいを大切にした夜景づくりを目指しました。

都市の中の寺院にふさわしい
光量と陰影のバランス

スカイツリーも望める浅草寺 伝法院庭園の立地
スカイツリーも望める浅草寺 伝法院庭園の立地

浅草寺は、周囲を街の明かりに囲まれた都市環境の中に位置しています。そのため、ライトアップの計画においては、明るさの設定が非常に重要でした。「フォトスポットとして成立させるための視認性」と「歴史的な空間が持つ落ち着き」、その両立を図るため、光量はあえて抑え、陰影が美しく浮かび上がる構成としています。寺社仏閣の建築は、軒や柱、装飾が幾重にも重なり合う、複雑で繊細な構造が特徴です。そのため、多方向から光を重ねることで、建物の凹凸や奥行きが自然と際立つよう計画しました。単に照らすのではなく、光によって建築の立体感を「立ち上げる」ことを意識しています。
また、石灯籠の内部にもコアモジュールを仕込み、立ち入ることのできないエリアであっても、背景として印象的に映るよう演出しました。日中には気づきにくい細部の表情を、夜の光によってそっと引き出す、そんな寺社仏閣ならではの建築美を改めて感じられる夜景を作り上げました。

環境とバランスがとれたほどよい浅草寺 伝法院庭園のライトアップ①
環境とバランスがとれたほどよい浅草寺 伝法院庭園のライトアップ②

環境とバランスがとれたほどよいライトアップ

肉眼とカメラ、どちらでも成立する夜景を追求

さらに、今回の計画では歴史的な庭園であるがゆえに、照明計画を進めるうえで必要となる図面が存在しませんでした。そのため、現地で建築や庭園の構成を確認しながらトレースを行い、空間を読み解くところから照明計画をスタート。限られた期間の演出であっても、計画の精度を高めるために現地での確認は欠かせません。現場では肉眼での見え方だけでなく、実際にカメラで撮影しながら調整を重ねました。人の目で感じる印象と、写真として切り取られたときの見え方には差が生じます。フォトスポットを作り出すことを目的としていることもあり、来場者に「ここで写真を撮りたい!」と思ってもらえる、そして帰ってから写真を見返した時に現地でみた光景と同じように美しいと感じてもらえる光のあり方を探り、結果肉眼でも見ても、撮影した写真で見ても美しいライトアップに仕上がりました。

画角を意識した浅草寺 伝法院庭園のライトアップ
フォトスポットとしての
画角を意識したライトアップ
画角を意識した浅草寺 伝法院庭園のライトアップをスマートフォンで撮影した様子
来訪者を意識し、
スマートフォンでも撮影して光の見え方を確認

主な使用器具

※自社製品の他にも、光の演出に最適な照明器具を選びご提案いたします。

今回ライトアップを行ったエリアは、普段は立ち入ることのできない場所であり、イベントという限られた期間だからこそ、浅草寺の夜の風景に新たな表情が添えられました。会期を通して、夜の庭園が持つ静けさや奥行きがあらためて感じられる時間となり、今後の夜のあり方について考えるきっかけにもなっています。短期のイベントや期間限定の取り組みであっても、場所の魅力に丁寧に向き合いながら光を添える、そんな姿勢を大切にしたプロジェクトとなりました。常設はハードルは高いけれど、光の効果は気になっている、そんな方もぜひ一度お問い合わせください。

Credit

株式会社一旗
「ASAKUSA CULTURE & LIGHTS 2025」企画制作
所在地:Nagoya Head Office (名古屋本社)
〒451-0042 愛知県名古屋市西区那古野2-14-1 なごのキャンパス3F 3-2
HP:https://www.hitohata.jp/

照明ディレクター:山下匡紀 / MASAKI YAMASHITA
営業部 ライティングデザイングループ 兼
Creative Lab.AC  東京オフィス
マネージャー

武蔵野美術大学 非常勤講師
富山市景観まちづくりアドバイザー

2015年度グッドデザイン賞 復興デザイン受賞
2018年度グッドデザイン賞100 受賞
2022年度日本空間デザイン賞 LongList(入選)

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この記事を書いた人

CreativeLab.

『Creative Lab.』は、光を中心に屋外空間にイノベーションを起こすクリエイティブチームです。 デザインやアイデアで光の価値を創造するデザイン・企画チーム(AC)と、技術・開発で光の価値を創造する設計開発チーム(DC)で構成されています。 AC / DCで連携を取り、あらゆる屋外空間に合う光や価値を考え、新しくてワクワクする提案を行っています。

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