和歌山市の玄関口、JR和歌山駅。その駅前から続くメインストリート「けやき大通り」の和歌山城までの延長約2kmをイルミネーションでつなぐプロジェクト「KEYAKI Light Parade」は2023年の冬に初開催。その一環としてタカショーデジテックのメンバーが参加した「ウォーカブルなまちづくり研修」から、通りだけでなく周辺店舗をライトアップする「テラスポット」への展開が実現しました。今回はワークショップに参加し、テラスポットを企画したCriative Lab.の竹中哲朗チーフと箕原千紘チーフ、そしてタカショーホームユース事業部の小川恭平マネージャーの3人に話を伺いました。
ウォーカブルなまちづくり研修に参加して
―――ウォーカブルなまちづくり研修とはどういうものだったんでしょうか?
竹中:KEYAKI Light Parade自体がまちの活性化を目的とした取り組みなんですけど、それに協賛している企業が、さらに踏み込んで、このイルミネーションと併せてまちづくりについて考えようというのが「ウォーカブルなまちづくり研修」でした。
箕原:そこで声がかかって参加してみようとなったのが私たち3人です。私は普段大阪オフィスにいるんですけど、KEYAKI Light Paradeのロゴの制作を担当した流れで参加してみないかって言われて。せっかくなら参加してみたいと思って3回の研修に通いました。
小川:参加者は30人ちょっとでしょうか。銀行や放送事業者、カーディーラーなど、いろんな企業さんがいらっしゃいましたね。普段なかなか他の会社の方と一緒に何かをすることが少ないので、企業同士で何かやってみようという話ができたのはおもしろかったです。
竹中:カードでアイデアを出すワークショップを他の企業さんと合同でやったりもして、確かにおもしろかったです。
―――具体的にはどのような内容だったんでしょうか?
竹中:1回目はフィールドワークでしたね。街を歩きながらセミナー会場に移動して、アイデアを出し合うっていう。
箕原:そこで聞いたのが、今回のテーマであった「ナイトタイムエコノミー」と「バイローカル(地元消費)」「ウェルビーイング」の海外事例。例えばポートランドでは車に乗らずに歩いて過ごす文化があって、道路の脇にはファニチャーが置かれていたりするそうです。
小川:僕は世界一周をした経験があるんですけど、実際にはヨーロッパなんかは道沿いにカフェもよくあったんです。でも和歌山は車社会じゃないですか。その中で僕たちに何ができるだろうかっていうのが課題でした。
竹中:ただ、その時は僕らも全容がよくわからずに「ヨガやったらどう?」とか「ラジオ体操は?」とか言ってましたよね。もうちょっとタカショーグループがやる意味というか、我々が貢献できることを考えようってなって、出てきたのがテラスポットの原型です。
小川:お庭のライフスタイルメーカーなのでファニチャーはあるし、DIYで簡単に家庭で設置できる「ひかりノベーション」も使える。それならけやき大通りだけでなく、中の方にも足を向けてもらえるんじゃないかというのがきっかけでした。
「テラス×照らす」で
もっと屋外を楽しく
―――普段のお仕事との違いってありましたか?
箕原:私が所属しているASK Design Lab.で行っているクライアントワークでは商品開発をメインにデザイン提案をしていますが、それとは全く違った感じで、空間や体験を作るというのはなかなかない。どうやったら人が来てくれるんだろうってすごく考えました。
小川:僕も普段はホームユース事業部という部署で一般のご家庭の庭づくりについて提案しているので、「まちづくり」という全然違う視点が難しい部分でした。
竹中:でも箕原さんが提案してくれた「テラスポット」っていう言葉ができたことで、いろいろ固まっていきましたね。
箕原:「テラス」が夜に光を浴びて、そこで楽しめたら…ということだったんで、「テラス」と「照らす」を組み合わせたらいいなと思ったんです。
竹中:めちゃいいよねーっとなって、本当にそこから具体的に進んだ気がします。
小川:テラスポットは具体的にはライトとファニチャーを貸し出すという仕組み。まずは事例がないとはじまらないので4店舗に協力いただいて実際にライティングの提案と施工をやりました。でもそれだけで終わりじゃなくて、そこから「こういうところがある」と知ってもらう必要がある。
竹中:僕は普段、社内の販促物を作っているので「知ってもらう」は普段からやっていることではあるんですけど、ゼロから認知度を上げるというのは大変でしたね。最終的にはDMで協賛企業にテラスポットの案内を送ったり、フライヤーを作ったり…。
箕原:メインの通りだけじゃないので、テラスポットマップを作ってKEAKI Light Paradeのサイトに載せてもらったりしてね。あと、2人はアドベンチャーワールドさんのイベントにもPRで参加してきてくれたんですよね。
小川:そうですね。このパネル持って行ってきました!
冬の夜がホッと明るくできる空間に
―――協力店舗さんの反応はいかがでしたか?
竹中:「明るくなって洗練された雰囲気に変わった」とか「冬は寒々しくなりがちだったけれど、暖色系の灯りでホッとできる」といった声をスタッフさんや近隣の人からもらったと聞いています。中には期間中だけでなく引き続き常設してくれた店舗もありました。
箕原:私自身も点灯が始まってから、実際に行ってみたんですけど、照らされている姿を見てきれいだなと思いました。あとは道ゆく人に「この先に何かあるよ」という動線が作れたらいいのになという点はこれからですね。
小川:そうですね。あと、やっぱり冬だから寒いんですよね。海外の方なんかは気にせず外で飲んだりしてくださっていたみたいですけど、日本人にとってはやはり寒い…。理想と現実はちょっと違いました。そこを含めてどうお互いにいい取り組みになるかも、これからの課題ですね。
箕原:実際にはその時間にオープンしていないカフェなんかもありましたけど、ライトアップするとすごく雰囲気がよくて、そこで写真を撮る人がいたりしたそうです。空いている土地や建物を照らして、土地の価値を上げていくなんてこともできたらいいですよね。
竹中:そうですね。去年は最終的に7ケ所だったんですけど、もうちょっとたくさん現場があると、光の点が線になって面になって…と魅力が伝わりやすくなりますしね。でも1つ1つはみんなビフォーアフターで全然印象も変わって、改めて光っていいなと思いました。光は「美観」だけでなく「機能」「防犯」「安全」そしてそれらから得られる「価値」の5つの効果をタカショーデジテックはずっと伝えてきた背景があります。その良さが伝わって、屋外活用の文化ができるといいなと思います。
小川:サイトの中でも書いてるんですけど、ライトアップすることで、ちょっと非日常の空間になるんです。文化というところでは、今回は和歌山のけやき大通りの周辺でしたけど、これを全国に広げて、各地に「テラスポット」が増えたらいいですよね!
「KEYAKI Light Parade」は今年(2024年)も、昨年(2023年)のLED75万球から25万球増の100万球にスケールアップし、11月23日(土・祝)から2月末まで開催されます。そして、同時開催のテラスポットも継続し、さらにパワーアップしていく予定です。光のストリートと周辺を照らす「まち灯り」が、和歌山市内を幻想的な世界へと誘います。ぜひ実際に足を運び、まちを歩いてみてください。きっと新たな「まちづくり」の可能性が感じられるはずです。
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