タカショーデジテックでは、LEDサインを様々な商品ラインアップで展開し提供していますが、カタログにない規格外のサインも別注で生産しています。そんな事例の中から、今回は和歌山市内にできた「熱帯酒場」のサインについてピックアップしてご紹介します。
熱帯酒場
JR和歌山駅西口から和歌山城へと続くメインストリート、けやき大通り沿いに2020年12月にオープンした「熱帯酒場」。魯肉飯や中華粥、スパイスカレーなどアジア各国の料理とお酒が楽しめるお店で、酒場と言うからには夜の店かと思いきや、朝から夜までフル稼働しています。そのパワフルさを象徴するように、ファサードにはアジアの繁華街にありそうなカラフルでポップなサインが光り、ミラーボールとともに賑やかにお出迎えしてくれます。
とにかく「目立つ」が大前提
お客様のご要望は「通りから目を引くこと」。中国のネオン街にあるようなイメージで「大きく」「カラフル」で「点滅」するネオンが当初の条件でした。
目立たせるためにネオンシリーズを用い、パーツごとに色も変えたい。しかし、いろんな色を使うとパーツが増えて配線も複雑になり、その分コストも大幅に上がります。打合せの途中で、コスト削減のために点滅はなくなったものの、カラーの表現はマストでした。
依頼から1ヶ月半後にはオープンと、時間もありません。それでもできるだけ要望にはお応えしたいもの。考えうる限りで予算に合わせてどこまでのご希望を再現できるかを考え抜いた末、たどり着いた答えが背景にアートボードを用いたボードシリーズのアレンジ。ネオン管を模したアクリルに色をつけ、導光板を使って背面から単色で光らせるというアイデアでした。
1つの光源で
カラフルに光らせるには
ベースの板がつくことを了承してもらえるのであればボードタイプは一体型で色の表現が可能になります。ただし、意匠が細かいため通常のボードの線幅では文字や絵がつぶれかねません。そこで、傾斜を点けて細い線を作る「LEDIUS SIGN BOARD POP」を採用することに。ですが、本来この種類は屋内仕様。設置場所が完全な屋外ではなくアーケードの中ということを踏まえて社内に相談し、重量や塗装に注意を払いながら挑戦することとなりました。
難易度的にはこれまで受注した中でもトップクラス。施工も受けるのであれば、現場の状況からどのようにすれば実現できるかを考えることが先決です。居抜き物件なため、付けられる場所は限られ、最終的にアーケードの梁部分から吊る方法が一番せり出して目立つと判断しました。
ボード裏から光源を入れることから、光の漏れを最小限にするようデータはギリギリのラインで作り、土台の金物もできるだけ隙間のできないサイズで発注。アクリルを削ったり手磨きする段階でもギリギリを攻める職人技が活かされています。
こだわりの手塗りが
ポイントに
今回ご依頼いただいたのは、建物正面のファサード看板と店内サイン。店内に入って正面に見える「熱」の文字もその1つです。
立体感を出すため金物で丸い取り付けの土台を作り、一箇所でまとめた配線を土台で隠れるように。そして、壁の色や質感と合わせたいというお客様のご希望により、この金物とファサードサインのボード部分への塗装はお客様が自ら手塗りしています。
こだわりの手塗りの質感
通常使用している塗料ではなくペンキになるため、塗装が取れたり浮いてくる可能性が高くなります。とはいえ、ここはお客様のこだわり部分となるため譲れません。そのため保管や取り付け段階での扱いにも細心の注意を払いました。
各所にこだわり抜いたサインは、お陰様で通りでもひときわ目を引く仕上がりになり、最終的にお客様からも「これだけ派手なら点滅はなくてむしろ十分」と言う満足の言葉をいただきました。
映画「スワロウテイル」「千と千尋の神隠し」や漫画「ドロヘドロ」にインスピレーションを得たという「熱帯酒場」。だからでしょうか、どこか不思議な雰囲気があり、その非日常感に惹かれて扉を開きたくなります。こういった極彩色もネオンサインならではの表現ではないでしょうか。
「こんなサインもつくれる?」「こんなデザインにしたいんだけど…」などアイデアだけの状態からでも是非お問い合わせください。
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