皆さんが住んでいる家の中には、古風なものや日本の伝統を感じるようなものはありますか?和風な家やお庭をライトアップする際に「3低の光」を念頭に置いておかないと、光が主張しすぎたり、少し騒がしい雰囲気になってしまったりして、和の空間に合いにくくなってしまうことがあります。そこで今回は、その「3低の光」とはなにか、またそれを取り入れたライティングやテクニックをご紹介します。
目次
「3低の光」で和の空間を灯す
私たち屋外照明のプロは、和風な空間に合う光のことを「3低の光」と呼んでいます。3低とは、「低輝度」(明るすぎない光)、「低位置」(足元など低い位置)、「低色温度」(あたたかい色味の光)のことを言います。
日本の光の文化は、障子や行燈に由来するように、光を和紙で覆ったり透過させたりし、拡散光として取り入れてきました(低輝度)。また、蝋燭の光や行燈の文化から、赤みのあるあたたかい光(低色温度)で低い位置(低位置)を照らすのが和に合うと言われています。
低輝度(明るすぎない光)
やわらかい光をつくるには、光の明るさを抑えましょう。
また、光源が直接的に見えない器具で照らすことで、眩しさを感じなくなりやさしい光を再現できます。
低色温度(あたたかい色味の光)
光の色味を表す指標に色温度(単位:K)がありますが、色温度は数値が高いほどお昼の日光の色味に近く、数値が低いほど夕方の夕日の色味に近い、というようになっています。そんな中、蝋燭の炎の色温度が約1920Kと言われており、赤みのある光や低色温度のライトで照らすことで、蝋燭を光源にしたかのような演出にすることができます。
低位置(足元など低い位置)
光を低い位置に置くことで落ち着いた印象になります。
取り入れる照明も行燈のような和風な見た目のライトを選ぶことで、より空間を和に演出してくれます。
和の空間のライティング
樹木を照らす
アップライト
樹木を真下から照らして影をつくらないようにしましょう。光のグラデーションで広がり、樹木にやわらかい印象を持たせることができます。
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アプローチを照らす
和風ライト
突き当たりの壁面や玄関部分が暗くならないようにし、そしてアプローチは、壁面より明るさを抑えたやわらかい光で、足元の明るさを確保しましょう。
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水辺を照らす
ウォールスポットライト
池のある庭では、「ミラーライティング」を取り入れてみましょう。水面近くの植栽や樹木をライトアップし、水面に景色を映し出す演出で、夜ならではの楽しめる景色を作りましょう。
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和の空間で使えるライティングテクニック
パスライティング
最もガーデンで使われる定番のテクニック
<ライティング効果>
●パスライティングは、道や花壇を照らすのに最も一般的なテクニックです。
●アプローチなどの床に光の模様を付けて歩行の安全を確保するテクニックとして用いられます。照明器具を昼のデザインの一つとして見せる手法や、照明器具を黒子として光だけを見せる手法などさまざまです。暗くならないよう、バランスよく照明を配置することで、防犯性を高めましょう。
<ライティング手法>
●意図的に明暗を作ることで印象的な空間を演出できます。
●十分な明るさを確保するために一定の距離を保って設置すると効果的です。
★和風ポイント★
和の空間をライトアップする場合、和風ライトを取り入れることで親和性が高まります。
アップライティング
シンボルツリーをライトアップ
<ライティング効果>
●アップライティングは、私達が日中に見る、太陽に照らされた上からの光とは対照的でとても幻想的な印象を与えます。
●アップライティングは、ランドスケープの中で象徴的な物(シンボルツリーなど)を照らし、高い位置と低い位置にコントラストを作ることで、対象物を幻想的に照らし出します。
<ライティング手法>
●アップライティングは光源・器具の種類により、異なる印象を与えるので、理想のイメージに合った器具を選択しましょう。
●アップライトやアクセントライトだけではなく、地中埋め込み型のグランドライトでも実現することができます。
★和風ポイント★
和の空間をライトアップする場合、影が現れないようにほぼ真下の位置から照らし上げましょう。
ムーンライティング
空から光を浴びる
<ライティング効果>
●月光を浴びた様な影を地面に作り出し、自然に近い状況を作り出します。
<ライティング手法>
●樹木の内側にライトを設置し、大きな枝に対して、光を投げかけると影を程よく作り出せます。
ミラーライティング
水面に幻想的な景観を映し出す
<ライティング効果>
●水面の奥にある対象物を照らすことで、水面に対象物が映りこみ、幻想的な眺めを作り出します。
●水と光の互いの存在感を強調します。
<ライティング手法>
●水面が明るくなると対象物が映りこまなくなるので、水面が対象物より明るくならないよう注意しましょう。
●水面の動きが激しいと、映りこんだ対象物が見えなくなります。
フロートライティング
浮遊感のある光
<ライティング効果>
●水面にライトを浮かべることで、浮遊感のある、幻想的な景観を作り出します。
<ライティング手法>
●フローティングライトを池の大きさに合わせて、複数使用しましょう。
いかがでしたか?日本の文化として昔からある行燈や提灯でも光が取り入れられていたり、時代が移り変わってきていても、昔ながらの光の再現から、近代的な部分と融合した和モダンな演出もあったりと、光と和はいろいろな部分でつながっています。ぜひあなたの和の空間にも、それに合わせた光を取り入れてみてください。
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