「取り付けは簡単にできますか?」
サイン製作を検討されている個人オーナーさんから聞かれることの多い質問です。住宅設備用品もネットで手軽に購入できる昨今。業者を介さず、ご自身や身内でDIY感覚にセルフ工事を行う方も少なくないかもしれません。
当社のLEDサインは12V~24Vの低電圧仕様なので感電の心配もなく、電気工事の資格がなくても設置することはできます。とは言え、一般的な照明器具と違い工程もそれなりに多く、注意を払わなければならないことも沢山。電気や建築に関して相応の知識も必要です。ですのでよほどの事情がない限り、取り付けは最寄りの看板屋さん・電気工事業者さんに依頼することをおすすめしています。
では、実際にどのような工程を行うのか。意外と知られていない点も多いので順を追って説明していきます。
電源トランスの設置
LEDサイン本体にはいわゆるコンセントプラグはついていません。各パーツの背面から被覆電線が出ており、一般的に「変圧器」とも呼ばれている100Vを低電圧に変換する電源トランスに接続する必要があります。
トランス本体には通常の100Vコンセントプラグがつけられており、コンセントに差し込むことで通電します。このように低電圧で照明器具やLEDサインを使う際には、電源トランスからLEDサインまでの電線が長くなればなるほど電圧は弱まっていきます。よって、電源トランスから約8m(目安)以上離れた場所に設置すると本来よりも光が暗くなってしまうのです。(この現象を「電圧降下」と呼びます。またサインの仕様によっては「電圧降下」が起こる距離が長い場合もあります。)また、屋内用トランスには防水効果がありませんので雨風の影響を受けやすい場所だと故障の原因になります。
したがって、
●サインを設置したい場所から電圧降下が起きない距離内に設置
●雨風の当たらない場所に設置。
の2点を守ってください。
穴あけと配線
サインの形状や仕様にもよりますが、壁面に設置するケースが多いです。ではどのように配線を行うのでしょうか。
建築途中などで壁の裏側に人が入れるほどの空間があるのであれば話は簡単です。「原寸原稿」と呼ばれる、その名の通りサインと同じ大きさの絵を印刷した紙を設置場所にあてがい、マスキングテープで固定します。原稿がまっすぐ貼られていないとサインが傾いてしまいますので、水平器や赤外線墨出し器を用意するといいでしょう。図示された電線やボルトの穴位置にあわせて電動ドリルで指定された大きさの穴を開けます。
取付面が鉄やステンレスの場合、ボルト穴径がぴったりだと通りませんので、半径分プラスのサイズで下穴を開けて下さい。
なお、電線も通しやすくするために大きめに開けます。
電線穴を開け終わったらサインの各パーツの電線を束ねて、壁裏に向けて通していきます。線の長さは事前に測っておきましょう。通し終わったらトランス側から伸ばした線と繋げていきます。
では、壁裏に回ることができない既存建築の場合はどのようにしたらよいでしょうか。簡単なのはモール配線です。壁面に電線を這わせ、その上に細長い樹脂製のカバーモールを被せます。
収まりがどうしても気になるというならば難易度は高いですが天井裏から壁の空洞に向かって線を垂らし、ワイヤーなどで引っ張るという方法もあります。現場のシチュエーションにもよりますが、場合によってはかなり骨の折れる作業ですのであまりおすすめはしません。
結線処理
続いてサイン本体から伸びている線とトランス側に接続した線との結線を行います。詳しい方法は別の記事で紹介しますが、ワイヤーストリッパーという工具を使って被覆の先端を4㎜ほど剥き、中から出てきた+線、-線をそれぞれ繋ぎ合わせます。
また屋外の場合、接合部が外れないよう防水型の圧着スリーブと呼ばれる特殊なカバーを被せ、ハンドプレスなどでしっかり潰して固定します。こうすることで線が繋がり、外れる心配もなくなります。逆に言えばこの作業を怠ると線が外れ、不点灯などに繋がってしまいます。
サインの取り付け
結線が終わったらサインを壁面に固定していきます。
各パーツの背面に埋め込まれたボルトを先の工程で開けた穴に埋め込んでいきボンドやコーキングを穴に塗って固定します。壁面裏側に入れるようであればボルトナットで背面から締めることでより安定性が増します。特に屋外高所設置の場合は強風などで外れないようボルトの数も増やしておきましょう。
以上がサイン設置の基本的な流れとなります。
読んでいただいてお分かりの通り、工程を事前に組んでおかないと後で取り付けられない、線が繋げないという問題も出てきます。
全てにおいて計画は大事。サインをご発注いただく際には「どう取り付けるか」も事前にプランニングしていきましょう。
ご不明な点などございましたらお気軽にご相談ください。
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