環境先進企業の証「エコ・ファースト」認定 SDGsに取り組み続けて

環境の分野において先進的・独自的かつ業界をリードする事業活動を行う企業に対して認定される環境省の「エコ・ファースト制度」。4月5日に今年度の新たな認定企業が選ばれ、タカショーデジテックが認定を受けました。2021年にサスティナブル推進室を設立し、全社を挙げて取り組んできた環境や社会問題へのサスティナブルの取り組みが評価として形になった今回の認定。その取り組みと、エコ・ファースト認定に至った経緯を、古澤代表と事業統括本部主任の伊佐優子さんに伺いました。

デジテックとしてのサスティナブルの取り組みは
第三者の視点でどう評価されるのか?

―――認定取得をめざした経緯を教えてください。

伊佐さん(以下、伊佐):まだ私の入社前のことですが、認定の対象となった取り組みは、2021年7月にサスティナブル推進室を設置して、全社員を対象にSDGsカードゲーム勉強会を開き、SDGsへの理解を促進していったことから始まっています。

SDGsカードゲーム勉強会の様子
SDGsカードゲーム勉強会の様子

SDGsカードゲーム勉強会

古澤代表(以下、古澤):サスティナブル推進室の設立はちょうどコロナの真っ只中、全世界でいろいろなものが動いたタイミングでした。環境や自然に興味を持っていたところに環境活動家の露木しいなさんの話を聞く機会があり、ものを作っている会社として会社をサスティナブルに、持続可能なものにしていく上で環境に取り組むのはすごくいいなと思うようになりました。実際、大手IT企業が再生素材や労働環境に配慮した素材でないと仕入れない、ハイブランドもリアルファーを使わないという動きになっている。世界がそうなっている中、自分たちが環境にやさしい製品を出していることを知ってもらえたらビジネスにもつながるだろうと。
それに、SDGsは環境だけじゃない要素もあるので、会社でできることが増えていくんですよね。カードゲームをするとそれがよくわかる。実は経済を先に回さないといけないとか、経済を回しすぎると環境がおろそかになって社会が悪くなるとか。そういうのをみんなで知ってその中からアイデアシートを募って、それをポイントを絞って課題を深掘りしていきました。

伊佐: 「やってます」と言うだけならみんな同じ。それだけでなく、デジテックの場合は独自におもしろい取り組みをしている部分があるので、それを「第三者の視点で評価してもらえないか」と探す中で、環境省のエコ・ファースト制度を見つけたんです。認定を受けているのは大企業ばかりでしたが、規模だけでなく業界の独自性やおもしろさも見てもらえる制度なので、それなら可能性があるんじゃないかと思ったのが、応募のきっかけです。

―――伊佐さんは入社前から環境問題に取り組んでおられたんでしょうか?

インタビューに応える事業統括本部主任の伊佐優子さん

伊佐:私は入社して約1年なんですが、それ以前は東京の国際協力をしている組織で働いていて、SDGsには前身であるMDGsの頃から仕事上で触れてきました。でも会社としての目線でSDGsを見るという経験は初めてです。和歌山に来たのは家族の都合で、自分の知見経験を生かしたいと思って職を探したんですが、技術を持っているわけでないのでなかなか大変で。そんな中で見つけたのがタカショーデジテックでした。
環境の取り組みをしていることは少しネットで見ていましたが、採用面接の時に「こういうことをやり始めました」といろんな話を聞いて「和歌山の製造業でもこういうところに関心があって取り組みを進めているんだな」と驚きました。

古澤:サスティナブル推進室のために採用したわけではなく、タイミング的に事業統括本部の仕事が膨れ上がっていたからだったんですが、結果的にちょうどいい人材に繋がったなと思っています。

伊佐:今は管理部で人事・採用や総務の仕事をしながらサスティナブル推進室を兼務して、横軸で社内のサスティナブルな活動を推進する旗振り的な部分を担っています。実際入社した時期は各部署で小さな取り組みをしていた状況でしたので、それを会社としてどう取り組んでいくかという部分と枠組みを決めて、各部に通し、進捗を追っていくということから始めました。
結果、カードゲームから始まった流れができ、リサイクルアクリルを利用した「Re:SIGN」をリリースすることができました。それまで取り組んできた水性塗料や鉛フリーのはんだなど、従業員のアイデアから生まれた取り組みが結晶したものだと思っています。

環境にやさしいLEDサイン「Re:SIGN」のイメージ画像

環境にやさしいLEDサイン「Re:SIGN」


業界のトップランナーかつ地域共生の担い手として

―――認定までの道のりは大変でしたか?

伊佐:掲げる目標が業界の先進性や独自性に合致するかという「トップランナー要件」と、脱炭素や循環経済など、環境省が掲げる8つの分野のうち3つ以上にちゃんと取り組んでいるかという「必要水準要件」が認定の基準になります。
現状取り組んでいるものとこれから取り組んでいきますという目標も含めて私たちが立てたのが、この5つの目標になります。

エコファースト制度認定のために掲げたタカショーデジテックの取り組みとしての5つの約束

伊佐:今回、高効率照明の開発や太陽光の発電などの地中温暖化防止(CO2削減)につながる取り組みや循環型社会をいかに形成し、照明という業界においてどれだけ環境に配慮できているかという部分が評価いただけました。
照明は本来消費材なのでどんどん取り替えていくものではあるんですが、屋外照明だと特に木の成長によって光の当て方を変えたり、季節によって光の色を変えたりすることでお客様のニーズを満たすものもあります。そんな風に、照明をただの消費材ではなくうまくサービス化し、企業として長く耐用できるものを作ろうという思いと、お客様の好きな時に好きな光を入れられるニーズの両方がうまく満たせるような循環型社会が私たちの目指すところです。要するにものを捨てない、照明を捨てない仕組みを作っていくこと。そういった照明に関わる環境配慮が特に評価された部分です。

付加価値を与えられるライトアップのイメージ画像
付加価値を与えられるライトアップ

実際のところ、これまで認定を受けているのは錚々たる大企業ばかり。規模や波及効果の部分でデジテックがどの程度評価いただけるかが未知数でした。申請の時はいけるかなと思っていたんですが、審査の間に考えていると自信がなくなってきていたので、認定の報告を受けた時はけっこう衝撃的でした!

古澤:伊佐さんはこう言っていますが、伊佐さんからこういう制度があるからチャレンジしませんか?と言ってくれたことから徐々に道が見えてきたので、認定は取れるだろうなとは思っていました。とはいえ、認定式に行くと本当に誰もが知るような企業の顔ぶればかりで、この中に入ったのかと実感しました。しかも、数ある照明関連の会社としてはおそらく初。これは快挙ですよね。地域に関する取り組みはデジテック独自の目線だったと思うので、それが評価してもらえたんだと思います。
SDGsの取り組みの中に地域循環共生圏構想というのがあって、ここの取り組みに関しては特に評価していただいて、矢櫃や真妻は地域をしっかりと循環させるいい取り組みだと言っていただきました。

矢櫃のライトアッププロジェクトの時の様子
矢櫃のライトアッププロジェクトの時の様子
真妻のメタセコイアのライトアップの様子
真妻のメタセコイアのライトアップの様子

選ばれる会社、選べる人材育成を目指して

―――今後の取り組みについて教えてください。

古澤:「選ばれる会社、選べる人材と育成」というのはSDGsの中にもあった言葉です。「選ばれる会社」はわかりやすいですよね。そして、会社で働く人たちはいったん家に帰れば消費者になる=「選ぶ側」になるのです。だったら、選ぶ側になる人たちの教育、育成もしていかないといけない。紐解いていくと、これがすごく重要だということに行き着いた、それも当初サスティナブル推進室を作った背景にありました。

インタビューに応えるタカショーデジテック古澤良祐代表

伊佐:エコ・ファースト認定って上流の枠組なんです。従業員というより、会社の取り組みに対して認定されるもの。それも大事ですけど、従業員1人1人がサスティナブルに対する理解がないと、なんのためにこれをやっているのかが繋がらなくなり、取り組む意義が薄くなるので、今後はさらに働いている人のサスティナブルやSDGsに関する理解の促進・向上が必要になってきます。年々、従業員が増えてきているということもあるので、今一度そこに注力するために立てた今期のテーマが「選べる人材になるために」です。例えば会社にエコ・ファースト認定があるように、個人で受けられるエコ検定というものがあります。これを奨励し、認定取得のサポートができる制度を作りたいですね。
他にはサスティナブル推進室にアドバイザーとして入っていただいているNPO法人わかやま環境ネットワークと連携して地域の農業体験や生物多様性イベントに参加したり、できることから無理なく進められたらいいなと思っています。

古澤:今回認定を受けた内容にはこれからのこともたくさん入っています。例えば、地域循環共生の話やエコ通勤など。これらはアクセスの悪い和歌山という地方にいるからこそやらなきゃいけない問題だと思っています。海外は自転車通勤が本当に多い。そこまではすぐにいかなくとも、ちょっとした考え方1つで通勤の仕組みも変えていけるだろうし、和歌山だからこそできることもたくさんあるはず。
また和歌山だけじゃなくて、それぞれのエリアにも拠点があるので、そこにもしっかりと伝えていきたいと思っています。

エコ通勤のための社内アンケート
エコ通勤のための調査

伊佐:実は推進室の立ち上げ以降に入社した50人くらいがまだカードゲームを経験していません。会社でしている取り組みの知識は理解していても、想いを継続していくためにも、再度開催したいと思っていますし、みんなが集まれる機会にはまた新たに「ゼロ・カーボンニュートラル」体験のゲームをしたり、いろいろな機会をもちたいと思っています。

古澤:無理して、苦労して、我慢をして続けるのでは意味がないし、それはサスティナブルではない。取り組みはもちろん、会社も持続できないといけないので、そのバランスを見て仕組みをみんなで考えていくことが必要ですね。

インタビューの際の様子

エコ・ファースト制度は今後5年ごとに進捗を追って更新していくことになるため、取得がゴールではなく、これからどれだけ実績を残せるかが肝に。今回話を伺ったお2人とも、既に先を見据えてさまざまな想いを巡らせていることが伝わりました。
照明業界のトップランナーとして、さらなる課題解決に挑むための「エコ・ファースト認定」。
今後も社員1人1人がその評価に恥じない取り組みを進めていければと思っています。

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この記事を書いた人

CreativeLab.

『Creative Lab.』は、光を中心に屋外空間にイノベーションを起こすクリエイティブチームです。 デザインやアイデアで光の価値を創造するデザイン・企画チーム(AC)と、技術・開発で光の価値を創造する設計開発チーム(DC)で構成されています。 AC / DCで連携を取り、あらゆる屋外空間に合う光や価値を考え、新しくてワクワクする提案を行っています。

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