タカショーデジテックでは、屋外照明・LEDサイン・イルミネーションなど屋外の光を幅広く扱っているだけでなく、「デザイン」も手掛けています。今回ご紹介するのは、「デザイン」の中でもファニチャー(家具)のプロダクトデザインと、カタログのアートディレクションを行った事例です。株式会社キムラさまの新作ができあがるまでを、携わったデザイナーとお客様が商品に込めた想いなど普段はなかなか知ることができない裏側と一緒にご紹介していきます。
より価値のある
ものづくりを目指して
ラタンを中心とした家具・インテリア商材を取り扱い、事業を展開する株式会社 キムラさま。タカショーデジテックのデザインチーム「ASK Design Lab.」とのお付き合いは10年以上になります。ASK Design Lab.は、今回の「HOKOSシリーズ」だけでなく、これまでもCALMシリーズ、Sunlight Teakシリーズを始めとする、新規商品のプロダクトデザインに数多く携わってきました。
今回のHOKOSシリーズは、急速な円安・市場環境の変化と同時に、工場の技術が向上する中で、「より価値の高い商品をつくりたい」というキムラさまの想いから始まりました。「より価値の高い商品」をつくるために、工場の技術をより活かしたものづくりにチャレンジすることになりました。アッパーな家具ではなく、生活に取り込みやすく価格的にも手が届きやすい小物家具から、商品の開発をスタートしました。
デザインに込められたこだわり、名前に込められた想い
「ジャパンディ」をテーマに
今回新商品をつくるにあたって提示されたテーマが、「ジャパンディ」でした。ジャパンディとは「ジャパン(日本風)」と「スカンディナビア(北欧風)」を調和させたテイストのことを言い、日本のわびさびのエッセンスと北欧の軽やかなデザインで、自然素材を使いながらもミニマルな空間に合うテイストです。キムラさまとしては、普段はアジアのテイストが強い商品を多く展開しているため、テイストとしても今までにないものづくりとなりました。
今回のテーマのアイテム構成で考えたのが、ダイニング周りや玄関周りなどの身の回りにあるちょっとしたアイテムに付加価値を持たせたい、ということでした。それらのアイテムにプラスして、そこでの暮らしを豊かにしてくれるような拡張アイテムを作っていった結果、7アイテム+拡張アイテム2種類の計9アイテムが生まれました。
自然素材を活かす
デザインのこだわり
ジャパンディの「自然素材を使いながらもミニマルな空間に合うテイスト」を表現するために、プロダクトデザインではシームレスなディテールや自然素材をそのまま感じられる塗装仕上げにこだわりました。
特に大変だったのは製造工場とのやり取りです。インドネシアにある工場の職人さんと、遠隔で仕上げの調整を行わなければいけませんでした。また、職人さんが手作業で仕上げているため、図面として定めているディテールと実際のできあがりとのギャップをなくす調整にも一苦労。イスは背もたれから脚にかけてシームレスに仕上げることに特にこだわり、調整に調整を重ねました。そういった細かいところにもこだわって作り上げた商品だからこそ、洗練されたものに仕上がっています。
「HOKOS」に込められた想い
商品の名前は、商品に込められたコンセプトや想いを表現するもの。今回の商品は、ジャパンディのテイストで心地よい暮らしを豊かにするシリーズのため、その雰囲気を連想させる名前を目指しました。「Coiki(こいき/小粋)」など、「ホッとする」ことを想像させる名前が候補に挙がっていましたが、キムラさまから「ノルウェー語に『Kos』というほっこりするような心地良さを表現する単語があるらしい」というお話があり、それをキーワードとして取り入れたシリーズ名の模索に方向転換しました。そんな中から選ばれたのが、ジャパンディが日本と北欧の融合であることもあり、日本語の「ホッとする」と「Kos」を組み合わせて言葉の響きもきれいな「HOKOS(ホコス)」という名前でした。言葉の意味にも、そして響きにも、商品のコンセプトがしっかりと詰まったシリーズ名となりました。
商品の詳細はこちら ≫「人の暮らしが見える」
カタログづくり
キムラさまとの取り組みでASK Design Lab.が携わっているのはプロダクトデザインだけではありません。数年前から、毎年更新されるカタログのアートディレクションも行っており、HOKOSシリーズが掲載される2023年度のカタログにも携わりました。
ASK Design Lab.がカタログを手掛けるまでは、「商品を撮る」「商品を見せる」ような写真の見せ方が多かったのですが、最近ではキムラさまが展開する商品の世界観が伝わるような、そこに人の暮らしが見えるような陰影が写るカタログづくりを目指すように構成しています。
また、最近ではキムラさまの家具をより身近に感じてもらえるようにと、コラムのような読み物のページを取り入れるようになりました。家具を暮らしに取り入れることによって生まれる付加価値や暮らしの変化、また商品ページでは語り切れないこだわりを楽しめるコンテンツになっています。
カタログ内に設けられたコラムのコーナー
2023年のカタログはさらに、会社として取り組んでいるさまざまなサスティナブルな取り組みについて、お客様に知っていただけるようなコンテンツも巻頭に設け、今まで知ってもらえていなかった会社としての想いを伝えられるように表現しました。ただ商品情報を伝えるだけじゃない、家具とその先にある暮らしを伝えられるカタログへと進化し続けています。
新商品のプロダクトデザインと、カタログのアートディレクション、幅広くデザインに関わった今回の事例。ASK Design Lab.では、「「ふつう」=「いつもの生活、道具、日常」をデザインでよりよく」を掲げ、デザインに向き合い、クライアント様とともに生活に寄り添うプロダクトをアップデートし、いつもの生活、道具、日常がデザインの力でよりよく、未来の「ふつう」を作っていくことを使命としています。キムラさまのように、長期的な目線で目標と成果を共有し、共に切磋琢磨している、お付き合いの長いクライアント様もいらっしゃいます。
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