サインの見た目は塗装で変わる。 塗装から生まれる質感とこだわり


LEDサインをより魅力的に光らせるためには、着色の有無に関わらず、実は塗装が欠かせません。発光面を際立たせたり、塗料や塗り方を変えることにより、ツヤや質感を変えるなど、さまざまな光の表現が可能に。今回はそんな塗装のバリエーションや再現性へのこだわりをご紹介します。

LEDサインの質感は
塗装で決まる


塗装をしている部分は塗料に覆われるため、LEDサインの塗装面は基本的に「光らない」部分にあたります。正面発光ならサイドや背面を、側面発光なら正面や背面をというように、発光面に対してそれ以外に施します。とはいえ、ただ光らない面というのではなく、その種類や素材、塗装の施し方でサイン自体の見え方が変わってきます。

発光仕様の異なる2つのLEDサイン
左:サイドエッジ(側面縁発光) 右:正面発光

指定の色を吹き付ける一般的な塗装の場合でも、ツヤあり、ツヤなしなどの要望によって吹き付け方が変わってきます。中には半ツヤ、3分ツヤといった細かなご希望もあります。
また、色だけでなくメッキや真鍮などメタリックな質感に仕上げたり、表面がザラザラとした質感に仕上がる梨地など、少しハイグレードな塗装も。こういった特殊な塗装はこの工程だけで約2週間と通常の倍ほどの時間がかかりますが、重厚な質感や高級感を演出する際にはぜひおすすめしたい塗装です。
サインの印象を決める要素は文字そのものや厚み、太さなどさまざまですが、質感の鍵を握るのは塗装。デジテックではあらゆるイメージを再現するためのさまざまな塗装のバリエーションでご対応しています。

ゴールドのような塗装
銅古美色のような塗装
緑青のような塗装

様々な質感の塗装仕上げ

光を遮断する塗装、
透過させる塗装


塗装に入るには、まず調色から。ブランドの指定色をご依頼の担当者さんに確認しながら、その色を再現するために細かく調色していきます。見本と同じ色に合わせてほしいという要望であったり、色の品番で指定があったりと指定方法はその時々ですが、よくあるのは他の店舗で付いていたサインを見本にするというケース。実際に光らせたものは、元の色とは違っている場合もあるので要注意。そのためにもタカショーデジテックでは、過去に受けたものは元の色がわかるよう実際に使った塗装をファイリングし、再発注があった際に備えています。

ファイリングしている塗装サンプルのイメージ
ファイリングしている塗装サンプル

シートと塗装の両方を併用するサインの場合はシート色に塗装を合わせていきますが、点灯時なのか消灯時なのか、どの状態の時に同じ色に合わせるのかもお客様のこだわり次第。ご希望を確認した上で、サンプルで何度か確認してもらいながら仕上げていきます。

消灯時のカラーシートの見え方
消灯時の色味
点灯時のカラーシートの見え方
点灯時の色味

塗装は重ね塗りが基本。実はシンプルな色であっても、光が透過しないよう下塗りを重ねています。最も光を反射する白色を薄く3〜4回塗り、次にグレーというように、実際の色を乗せるまでに最低でも6回は塗りの工程を行います。とはいえ、塗装が厚くなると発光時に表面に層が浮いてくるため、バランスを見ながら慎重に塗り重ねます。

また、全体を光らせるネオンサインの塗装は逆に発光色が透けるように、薄く均等に塗る必要があります。この「均等」が難しく、ネオン管の丸みの部分は塗装がのりやすくなるため、注意しなければそこだけが厚くなり、色も濃く出てしまいます。消灯時は同じように見えるけれど、点灯するとその違いがはっきりと目に見えるため、その差をなくすことが美しい光を表現するための大切なポイントです。

消灯時のネオンサインの塗装の見え方
消灯時:
色ムラは気にならない
点灯時のネオンサインの塗装の見え方
点灯時:
丸みの部分に色ムラ

塗料を吹きつける段階で小さなホコリなどが混入することもあります。その状態で上がってきた時には当然やり直し。塗装をペーパーで拭きとり、改めて吹くのですが、漢字や入り組んだ文字の場合は元のアクリルから作り直した方が早い場合もあります。そのため小さいもの、複雑な形のものは特に注意が必要で、細心の注意を払って塗装の仕上がりの確認をしています。

納品前の最終工程だからこそ


サインは光らせる高さによって見え方も変わってきます。高い位置にあるほど色の違いはわかりにくくなりますが、至近距離で見るサインの場合、色のニュアンスの違いも鮮明に見えてきます。例えば光らせた時に底部はそのままでは黒っぽくなるためそれを防ぐために塗装色を工夫することも。他にも塗料が垂れるのを防ぐ台を設置して塗装するなど、経験に基づく細かな工夫が現場の随所に凝らしています。

高所に設置されたLEDサイン
高い位置に
設置されたサイン
目線のあたりに設置されたLEDサイン
低い位置に
設置されたサイン

そして最終工程は、塗装後処理。マスキングをはがすと保護していた部分の周りにわずかな凹凸が生まれます。この部分をカッターで削り平らな面にならす作業です。逆に隙間がある場合はそこから光が漏れてしまうこともあるため、入念にチェックして必要な場合は塗り足しも行います。

この作業が終わると後は梱包するだけ。塗装はLEDも埋め込んだ一番最後の工程となるため、ここで何かトラブルがあれば、前段階からの作り直しともなりかねません。そのため、塗装は特に1つ1つの作業に慎重さが求められます。

塗装とひと口に言ってもさまざまな作業があり、そこには数々のこだわりがあります。そんなこだわりから生まれるLEDサインだからこそ、完成した時のイメージの相違をなくすよう、デジテックではご希望に応じて実際のサインのサンプルで見ていただいております。カタログだけではわからない細部の質感やグレードの違いを実際に手にとって、見てみませんか? カラーバリエーションも豊富に揃えております。こんな塗装イメージに仕上げたい、そんなご要望もぜひお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

営業部 サイングループ

LEDサインの営業をメインに行う営業グループです。 東京オフィスと大阪オフィスを起点に、日本全国の様々な商業空間にLEDサインをはじめとする屋外の商材を提案しています。定番商品のご提案だけではなく、よりお客様の理想やイメージに近いLEDサインに仕上げられるよう、柔軟なご提案ができるよう心がけています。

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