DIGISPOTも5周年を迎え、これまで数多くの事例や製品をご紹介してきました。その中で、検証や提案の過程から生まれてきた「少し視点を変えた使い方」も数多くあります。今回はそうした取り組みの中から、“使い方を少し変えることで見えてきた光”を、屋外照明・LEDサイン・イルミネーションそれぞれの視点で、小さなアイデア集としてまとめました。
屋外照明 ―使い方の工夫で引き出す光の表情
CASE01 光と異素材を組み合わせて空間に仕込む
(LEDコアモジュール)
LEDコアモジュールは、そのコンパクトさを活かし、光源を見せずに空間へ光を仕込む使い方ができる照明器具です。もともとは屋外空間の灯篭やランタンなどオブジェクトとしての筐体に仕込むのが主流ですが、什器の内部やサインの縁、建築のディテール部分など、光源の存在を意識させたくない場所にも組み込むことができるので、光だけがそこに残る状態をつくり出します。
展示会で提案したさまざまな素材との組み合わせ
また、LEDコアモジュールの魅力は、組み合わせる筐体の素材によって光の表情を大きく変えられることです。アクリワーロンのような和紙風の素材と組み合わせれば和の雰囲気が際立ち、ガラスやアクリルなどのクリアな素材と組み合わせればパキッとした印象でモダンにも演出できます。同じ光でも受ける素材によって印象は大きく変わります。また筐体だけではなく、付属のクリアカバーと乳白カバーを使い分けることで、光の輪郭を際立たせるか、やわらかくぼかすかといった調整も可能です。光そのものではなく、素材との関係性によって見え方をコントロールする使い方です。さらに、LEDコアモジュールの電球色出力に「1/fゆらぎ」を取り入れることで、均一な照明とは異なり、わずかに揺らぐ光をつくることも可能です。エントランスや通路、滞在空間に取り入れることで、光にやわらかなリズムが生まれ、空間に落ち着きのある印象を与えます。

秋田竿燈まつりの提灯(LEDコアモジュールを使用)
また、LEDコアモジュールは実際に、2026年1月から3月の間に和歌山県和歌山市で開催された「日本あかり博×けやきライトパレード by FeStA LuCe」内の秋田竿燈まつりの提灯のろうそくの炎の代わりの光源としても採用されました。
↑ LEDコアモジュールが採用されたニュースはこちら ↑
光源の存在を感じさせないという基本の使い方に、素材を組み合わせることで光の表情を変えていく。その積み重ねが、空間全体の印象を大きく左右します。
LEDサイン ―光の扱いで広がる表現
CASE02 光の構成で見え方を変える
(DIGITEC SIGN NEO FREE)
LEDサインは、看板などの情報伝達にとどまらず、ディスプレイなど空間演出の一部として取り入れられることも増えています。その中で、光の扱い方によって見え方に差をつくることができます。
LEDチューブで描くサイン「NEO FREE」は、細い線幅と自由度の高い曲げ加工により、光で線を描くような表現が可能です。アクリル板による透過表現やUV印刷と組み合わせれば、グラフィックと光が重なり合い、空間に自然になじむ見え方をつくることができます。
NEO FREEのアクリルを立体的に組み合わせた魅せ方
一方で、「NEO FREE」のアクリルに切り込みを施してそれぞれ光らせると、一枚ごとでは平面的な表現でありながら、それらを重ねて配置することで奥行きのある見え方が生まれます。光の重なりや影の出方によって、見る角度や距離に応じて印象が変化し、単一のサインとは異なる広がりを感じさせます。
面としての魅せ方を工夫して光を扱うか、面を重ねて奥行きをつくるか。同じ光でも、その構成によって見え方は大きく変わります。光をどう組み立てるかという視点を持つことで、サインの表現はさらに広がります。
イルミネーション ―組み合わせで広がる光の印象
CASE03 反射で光を広げる
(ストリングライト×ミラーボール)
イルミネーションは、光源そのものを増やすだけでなく、組み合わせる要素によって見え方を大きく変えることができます。
たとえばミラーボールのような反射体と組み合わせることで、点として存在していた光を空間全体へと広げることができます。光が細かく分散されることで、きらめきや動きが生まれ、単体の光源では得られない広がりをつくることができます。さらに、反射体を単体で使うだけでなく、複数配置することで光の重なりが生まれます。反射が繰り返されることで、光の密度が高まり、空間に奥行きを感じさせる表現へと変化します。
また、ライン状の光や異なる種類の光源と組み合わせることで、拡散した光の中に流れや方向性を与えることも可能です。光を均一に広げるだけでなく、構成として組み立てることで、より印象的な空間をつくることができます。
光を“足す”のではなく、“広げる”“重ねる”“組み立てる”。そうした発想を取り入れることで、イルミネーションの表現はさらに広がります。
光は、同じ製品であっても、どのように扱うかによってまったく異なる表情を見せます。光源を隠して空間に溶け込ませる、素材と組み合わせて印象を変える、構成や反射によって広がりをつくる。今回ご紹介したのは、そうした“使い方”の違いから生まれる小さな工夫の積み重ねです。既存の製品や手法の中にも、視点を少し変えることで新たな可能性が見えてきます。光をどのように置くかだけでなく、どのように扱い、組み合わせるか。その発想が、空間の印象をより豊かにしていきます。今後の提案や設計の中で、こうした視点がひとつのヒントになれば幸いです。
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