皆さんのお家の外構やお庭には、照明器具はついていますか?お家を建てるとき、室内のそれぞれの部屋に必要な照明器具を取り付けるように、お家の外にもライトをつけるケースが近年増えてきています。室内に照明がついているのには慣れ親しんだ方も多いかもしれませんが、屋外はどうでしょうか。なぜお庭にライトを取り入れる人が増えてきているのか、なぜライトは必要なのか。ガーデンライトがお庭や外構で果たす役割や、そこからうまれたお庭の照明のトレンドについて紹介していきます。
お庭・外構の
「光」の5つの役割
冒頭で、お庭や外構にもライトを取り入れるお家が増えているお話をしましたが、ではなぜ取り入れられているのか。ライトをお庭や外構に取り入れることで「光」が果たしてくれる5つの役割から説明します。
まずそもそも、皆さんは「光」と聞くと何を連想しますか?太陽、星空、イルミネーション、電球…人によって思い浮かべるものは様々だと思います。では、屋外照明について絞って考えたときはどうでしょう。屋外照明のプロフェッショナルであるCreative Lab.では屋外照明の「光」として5つの役割を提案しています。
機能:夜の活動空間を広げる光
1日の多くを会社や学校など家の外で過ごす現代の私たちにとって、お昼にお庭で何かをして楽しむのはなかなかにむずかしいです。しかし、夜にお庭で何かをするのも危なくて過ごしづらい。そんなときにお庭にライトを取り入れることで、部屋の延長としてお庭を夜に何かできる空間に変えることができます。
美観:心地よい美観を創り出す光
日中に太陽に当たりながらお庭で過ごす時間は、日々の暮らしの中でリラックスできる時間です。ガーデニング好きな人だと、お庭を美しく整えていることでしょう。そんなお庭ですがライトが入っていないと夜は真っ暗で、せっかくの美しい空間を楽しめません。ライトを入れることで、お庭の美観を夜にも存分に楽しむことができます。また、お庭だけでなくお家の外構にもライトを取り入れることで、お家をかっこよく見せたり、こだわりの外観を美しく見せることができます。
安全:視界を確保し人を迎える光
照明は、夜に暗くて危ないところに取り入れるもの。屋外のライトに関しても、もちろんそういった場所に取り入れることが大切です。玄関に向かうまでのアプローチや小物をたくさん置いている壁際、階段のあるお家では段差など、暗いと危ないシチュエーションは様々です。住んでいる人自身でも、暗いと躓いてしまうこともあるのではないでしょうか。だとすれば夜にお家を訪問してきてくれた人にとっては、何があるかもわからない状況で暗い中を歩くのはすごく危険です。住んでいる人にとっても訪問者の人にとっても安全な空間にするために、屋外照明を必要な場所につけましょう。
防犯:犯行を抑制させる光
屋外照明は不審者や犯罪者に対して、不法侵入を思いとどまらせる効果があります。暗いお家と明るく照らされて死角がないお家だと、不審者にとってどちらの方が侵入しやすいかは一目瞭然です。不審者が侵入しやすそうな場所や死角になっている場所を明るくすることで防犯に繋がります。
価値:新たな付加価値を生み出す光
今まで挙げてきた「機能」「美観」「安全」「防犯」の組み合わせで、ライトがお家やお庭で取り入れられていなかった頃にはなかった新しい価値が生まれます。
例えば、お庭にウッドデッキのあるお家があったとします。もしお庭にライトが取り入れられてなかったとしたら、昼間にはウッドデッキで子どもたちが遊んでいたり、お母さんがガーデニングを楽しんだりできたとしても、夜には真っ暗でお庭に出ることすら躊躇するような空間になってしまいます。ではそこにライトを取り入れたとしたら。ライトの「機能」「美観」「安全」の3つの役割が働き、ウッドデッキに出て美しく咲いた花々を楽しみながらディナーを楽しめたり、子どもたちもお庭で安全に遊べたりするでしょう。お家・家庭によってお庭に求める「価値」は様々だと思います。それぞれに合った役割の「光」を取り入れ、お庭に「価値」をつくり出しましょう。
お庭・お家に付加価値を与える光
「一室一灯」から
「一室多灯」へ
お庭・外構の「光」としての役割についてお話し、「なぜお庭や外構をライトアップするのか」ということはおわかりいただけたかと思います。では、実際に最近の住宅ではどのようなライトの取り入れ方がされているのか、お庭の照明のトレンドについて紹介していきます。
そもそも、「照明のトレンド」と聞いてもあまりピンとこない方もいらっしゃると思います。では、昔ながらの平屋や少し古めのお家を想像してみてください。大きな蛍光灯が部屋の真ん中に1つ取り付けられているのがよくあるイメージではないでしょうか(左下写真)。照明は元々暗くて活動しづらい空間を活動ができる空間にする「機能の光」を取り入れることが目的です。今までは1つの部屋に1つの照明、つまり「一室一灯」で充分でした。しかし時代が進み、人々の暮らしが豊かになってきた近年では、暮らしの中のひとつひとつの物事に価値が求められるようになりました。そのため、目的に応じた必要最低限の明るさの照明を必要な場所に取り入れる「一室多灯」の時代に移り変わったのです(右下写真)。必要なときに必要な分だけ光を取り入れるこの「一室多灯」の考え方は、それぞれのシチュエーションに最適な光をもたらしてくれるので、照明器具は「機能の光」としてだけでなく空間を美しく見せてくれる「演出の光」としての役割も担うようになりました。
この「一室多灯」の動きはお庭・外構のライトでも同じです。お庭・外構に取り付けられるライトも元々は玄関灯や門柱灯など、必要最低限の「機能の光」、つまり「一空間一灯」しかありませんでした(左下写真)。しかし、暮らしの質を追求する過程で夜の暮らしの価値も欠かせませんでした。屋外照明の5つの役割でもお話したように、「美観」や「価値」等を夜のお家やお庭にも求めた結果、お庭・外構の照明でも「一空間多灯」が求められ、「機能の光」だけでなく「演出の光」も取り入れられるようになりました(右下写真)。
樹木を美しく照らすためのライト、アプローチを歩きやすくするためのライト、駐車場を活動しやすくするためのライトなどなど…、夜のお家・お庭の空間を照らす光は様々です。夜のお家・お庭の空間をどのように活用したいか、どのように見せたいかを考えて光を取り入れることで、帰ってくるのが楽しみになる、夜にお庭で過ごす時間が趣味になる、そんな暮らしづくりができるのです。
「そもそもなぜお庭や外構にライトを取り入れるのか」というところから、お庭・外構の「光」の役割やトレンドについてご紹介しました。これからお家を建てる方でも、すでにある持ち家をリフォームされる方でも、ぜひお庭や外構にライトを取り入れてお家の夜の空間をすてきに活用しましょう。
タカショー・タカショーデジテックには、住宅や外構・庭に関わる企業の方向けのマイスター制度「ライティングマイスター」があります。研修を受けてより高度なテクニックやセンスを身につけていただき、「庭照明のプロ」になっていただける制度です。興味のある方はぜひサイトをご覧ください。
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