タカショーデジテックには光に関わるさまざまな部門があり、個性ゆたかなメンバーがそれぞれ想いをこめて仕事に当たっています。ここではご依頼を受けたLEDサインが実際に光を宿し、現場に設置されるまでに、どんな人がどんな風にサインに関わっているのか、そしてそれぞれが持つ光へのこだわりをじっくりと紹介します。
今年(2021年度)から弊社に新たに導入されたスペシャリスト(専任職)制度。今回はその中のチーフスペシャリストの第1号となった製造チームの川口直也さんをご紹介します。長年の経験を活かし、細部まできっちりとこだわりながら後進の指導にも余念がない、チームを率いる頼もしい存在です。チーフスペシャリストという、いわば専門職の上級的な役職となった今、その意気込みを伺いました。
チーフスペシャリストとは
チーフスペシャリストは専門職の上級的な役職として設けられたポストです。組織全体をマネジメントしていく力を培うのが総合職としての一般的なキャリアパスですが、弊社では設計開発やものづくりのように専門職の要素が強く、職人技術を伝え、育てていくのも重要な役割になります。では総合職のようにマネージャーなどの管理職になればいいかと言うと、それでは職人としてせっかく高めた技術が活かせなくなってしまいます。そこでできたのがチーフスペシャリストという役職。管理職でありながら現場にも関わり、部内の実務を極める立ち位置です。身につけた技術を無駄にせず、若手を指導しながら、労働生産性の向上や人材育成計画の立案など、会社運営にも携わります。これまでの専門的な仕事に加えて作業スタッフへの技術指導や実務作業の改善や情報収集、設備導入に関するリサーチや検証といった全体的な采配が必要になりますが、チームと個人、どちらも高めながら会社を支えていく、なくてはならない存在です。
そのうちの1人として抜擢された川口さんは、建具職人の父を持ち、幼稚園児の頃からドライバーを触っていたという生粋のものづくりDNAの持ち主です。長年の経験の中で、バイクを取り扱ったりと、ものづくりの好きな川口さんらしく、様々なものづくりの経験を積み、その中で培った知識や工具の扱いは今も役立っているそうです。「ものづくり」への想いが強い職人気質だからこそ、チーフスペシャリストとなった今見えてくるものがあるに違いありません。
妥協なきものづくりへの意識
川口さんの1日は朝、その日全員が取り組む案件を把握し、終業時刻に終われるよう調整することから始まります。その上でスタッフを指導しながら自身も製造ラインに入ります。担当分が終われば他の作業を手伝いながら営業からの電話に対応。この電話は忙しいときには鳴りっぱなしになるほどで、川口さんへの信頼の厚さが伺えます。
「昔と比べると、扱うLEDのバリエーションは増えたものの、機械でできることも増えて作業的に時間短縮できていますね」と川口さん。以前は溝を彫り、原寸の型の紙をアクリルにあて穴を開けるなど手作業で行っていた部分が多く、ときには深夜までかかって納期に合わせていたこともあったそう。
そのためか、手を動かし始めると並ならぬ集中力を発揮します。川口さんが特にこだわっているのは塗装後の養生していた部分との間に生まれる細かな凹凸をなくす塗装処理。根っからの職人気質で集中しすぎると電話が鳴っても気づかなくなるため、没頭してしまわないよう意識しながら作業を行っているそうです。
またLED選別機での選り分けは他にはないデジテックのこだわりどころですが、その上でさらに色のバラつきをなくすこともこだわっているポイントです。例えば乳半のアクリルが塗装から上がってくると、塗装前にはわかりにくかった個々のLEDの色味がきっちりとわかり、バラつきに気づく場合もあります。塗装処理はほぼ最終工程なため、そこで気づいた場合、もう納期も迫っていることがほとんど。「でも気づいてしまうとダメだよね。A型ですので」と苦笑しながら作り直す選択をします。
塗装処理も色味のバラつきも、どちらも一見するとわかりにくいものですが、最終的にじっくり見るとわかる部分なため、仕上がりの美しさには妥協を許しません。
チーム全体を見据えて
そして、そのこだわりは最終的な梱包まで至ります。傷つかないようにというのは大前提ですが「お客様が開けたときにきれいな梱包」であること、そして「施工にあたる業者さんが時間のない中でいかに簡単に取り出せて作業にかかれるか」がポイントとなってきます。
川口さんのモチベーションの源は、やはり自身の作品。「作った商品が組み立てて現場に設置されて光っているのを見た時はいろんな想いがこみ上げます。近場にあるものであれば見に行くこともよくありますし、遠方のものは営業さんが写真を送ってくれます。工夫して作ったものは特に嬉しいですね」。
梱包状態の確認
チーフスペシャリストとなったことで思うのは「自分では特別な技術を持っているとは思っていないのですが、今まで失敗もたくさんしてきた分、それを繰り返さないよう持てる知識と技術を伝えていくことはできる」ということ。これまでも指導はしてきたものの、改めて考えるきっかけにもなったそう。「下の子たちが一人前になれるよう僕から吸収してもらえたら。その上で、全体を把握し、技術の向上や働きやすい環境のために改善できることは見極めていきたい」と、頼もしいリーダーとしての一面を見せてくれました。
「問題が起きたときにはうるさく思われてもきっちり作ることを優先します」と、父譲りのものづくりへの「頑固さ」は根底に持ちながら、ケースに合わせて対応する柔軟さも川口さんの持ち味。営業との話の中ではお客様の要望を聞いて「その方法ではできない」と時にNGをかけることも。そんな場合もできる方法を提案し、よりスピーディにできるよう工程を組む。そんな姿勢が現場のみならず営業サイドから頼られる所以です。
サインの裏側には、お客様の想いをしっかりと再現するためいろんな人が関わっています。そう考えると、街で見かけるサインの見え方も変わってきませんか? デジテックでは全工程を自社で一貫製造しているからこそ、お客様のこだわりにしっかりとお応えすることができています。こんなものはできないか?といったご要望があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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