夜の空間をもっと美しく見せる 樹木のライティングガイド
ライトの選び方編

お庭や外構をつくるとき、樹木を取り入れてお家でも自然を楽しめるようにするご家庭が増えてきていますが、そんな樹木を夜も楽しむためにライトアップを取り入れるお家も、同じように増えてきています。せっかく樹木などの植物を照らすのであれば、一番美しく見えるようにしたいですよね。そこで今回は、樹木を美しく照らすための光のポイント3つをご紹介します。

最近よく見る樹木のライトアップ

冒頭でも樹木のライトアップが一般的になってきているお話をしましたが、「実際にどんな樹木がどんな風にライトアップされているのか想像できない」という方もいらっしゃるでしょう。では実際にどのようなライトアップの事例があるのか覗いてみましょう。

玄関先の樹木をライトアップしている例
和風庭園の樹木をライトアップしている例
桜をライトアップしている例
中庭の樹木をライトアップしている例
和風庭園の樹木をライトアップしている例
紅葉や末をライトアップしている例

いかがですか?どの事例も取り入れられている樹木それぞれに合わせてライトアップされているので、個性を活かしつつもきれいに演出されていますよね。ここで、「こんなに色々な種類の樹木それぞれに合うライトアップをするのは難しそう…」と思われた方、いませんか?難しそうに見える樹木のライトアップですが、実は3つのポイントを意識するだけで美しく照らすことができます!ではその3つのポイントを見ていきましょう。
「そもそも光の知識がないからわからない…」そんな方には、光の基礎知識を特集した記事もありますので、ぜひそちらからご覧ください!


樹木を美しく照らすための3つのポイント

POINT① 樹木の「高さ」と光の「明るさ」

1つ目のポイントは、樹木の「高さ」に合わせた「明るさ」の照明を選ぶことです。樹木の高さに対して明るさが弱いライトを選んでしまうと樹木の先端まで光が届かず少し物足りない演出になってしまいます。逆に、樹木の高さに対して明るすぎるライトを選んでしまうと、照らしたい樹木以外のところにも光が飛んでしまい、自分のお家からライトの光が眩しい状態(グレア)になってしまい、ご近所のお家にまで光の眩しさが飛んでしまう原因になります。では、お家によく植えられている樹木に対しては、どれくらいの明るさが最適なのでしょうか。
たとえば、新築のお家などで、樹木をお庭の目隠しとして取り入れるときによく用いられる樹木の高さは2m以上のものです。2m以上とざっくりと言っても樹木は成長や剪定を繰り返すものです。樹木が成長しても最適な明るさ(住宅の場合:約70lx)で照らせる期間が長くなるように、樹木の種類によってどれくらいの大きさまで成長するのかを想定したうえでライトを選びましょう。

小ぶりな樹木をライトアップしている例
小ぶりな樹木
大きな樹木をライトアップしている例
大きな樹木

POINT② 樹冠の「広がり」と光の「配光角」

樹木の「高さ」の次に気をつけなければいけない2つ目のポイントは、樹冠の「広がり」です。樹木の種類をとってみても、広葉樹は特徴的に樹冠が広めのものが多く、針葉樹は狭めのものが多いですよね。それらすべてを同じように照らしてしまうと、樹冠が広い樹木の場合、樹冠の端まで光が行き届かずに、せっかくライトアップしているのに物足りない感じに仕上がってしまいます。そんなときに意識するべきなのが、光の「配光角」です。「配光角」とは、照明から出る光の幅のことを指し、スポットライトやグランドライトなど何かを照らすための照明の場合、さまざまな配光角のラインアップがあります。
広葉樹のように樹冠の端まで光が欲しい樹木の場合は、中角から広角のスポットライトで照らしてあげたり、中角のスポットライトで樹木の両側から挟み込むように照らしてあげると、樹木全体を照らすことができるので、美しいライトアップに仕上がります。一方、針葉樹のように樹冠が狭めのものには、狭角のスポットライトを選ぶことで、逆に光が必要のないところにまで飛んでしまうのを防ぐことができ、最適な光で樹木をライトアップすることができます。照らしたい樹木に最適な配光角を選ぶことで、樹木を美しく照らせるだけでなく、周囲の環境にとっても最適なライトアップに仕上げることができます。

樹冠が広めの樹木をライトアップしている例
樹冠が広めの樹木
樹冠が狭めの樹木をライトアップしている例
樹冠が狭めの樹木

POINT③ 葉の「色味」と光の「色温度」

最後に3つ目のポイントが、樹木の葉の「色味」と光の「色温度」の関係です。「色温度」とは、簡単に表現してしまうと光の色味のことです。空の色を想像してもらうとわかりやすく、夕暮れ時のようなオレンジっぽい色味のときは「色温度が低い」と表現し、お昼時のさっぱりとした青白い空のような色味のときは「色温度が高い」と表現します。そして光だけではなく樹木にも種類によって色味が異なったり、季節の移ろいによって変化します。そんな光と樹木の色味を合わせて照明を選ぶことで、カラーコーディネートの面でもワンランクアップした光の演出に仕上げることができます。

色温度の高い青っぽい光で照らしている様子

色温度の高めの白っぽい光で照らしている様子
色温度の低めオレンジっぽい光で照らしている様子

光の色温度を変化させた様子

通常の樹木の色味の違いでいうと、一番生い茂っている季節でも黄緑、緑、深い緑、シルバーがかった色などがありますが、黄緑や緑系では電球色を合わせ、深い緑やシルバーがかった色などにはより白色に近い光(昼白色や白色)などを合わせるのもオススメです。

黄緑や緑の色味の樹木に電球色を組み合わせた例
黄緑や緑の色味の樹木×電球色
深い緑やシルバーがかった緑の樹木に白色を組み合わせた例
深い緑やシルバーがかった緑の樹木×白色

一方、季節のイベントに合わせたライトアップをしたいときには、桜のような薄ピンクや白い色には白っぽい色(昼白色や白色)、紅葉には色温度をグッと下げて電球色よりも赤っぽい光で照らしてあげると、樹木の色味が際立ちます。

桜×白っぽい色
紅葉×赤っぽい光

樹木を美しくライトアップするポイントや、シチュエーションに合わせたライトアップの方法をご紹介しました。お家にある樹木をライトアップすることで、夜にも自然を楽しめる空間に生まれ変わらせることができます。DIYでライトアップするもよし、お庭のプロにおまかせするもよし。皆さんもお庭の樹木をライトアップして、自分だけの素敵な夜のお庭をつくりませんか?

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また、今回ご紹介した光の「明るさ」「配光角」「色温度」をその場で調整することができる『De-SPOT トライリング』という商品について紹介した特集記事もあります!
ぜひご覧ください。

↑De-SPOT トライリングの紹介記事↑


この記事を書いた人

CreativeLab.

『Creative Lab.』は、光を中心に屋外空間にイノベーションを起こすクリエイティブチームです。 デザインやアイデアで光の価値を創造するデザイン・企画チーム(AC)と、技術・開発で光の価値を創造する設計開発チーム(DC)で構成されています。 AC / DCで連携を取り、あらゆる屋外空間に合う光や価値を考え、新しくてワクワクする提案を行っています。

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